RD-250

RD-250ロケットエンジンの概要

RD-250（GRAUインデックス8D518）は、2基のノズルを持ち、N2O4とUDMHを酸化剤としたリッチな二段燃焼サイクルで動作する液体燃料ロケットエンジンです。このエンジンは、ソ連のOKB-456によって開発され、ヤンゲリのPAユージュマシュの大陸間弾道ミサイルR-36（ミサイル8K67）に使用されました。RD-250は、その後の打ち上げ機であるツィクロン-2やツィクロン-3にも採用されるなど、広範な応用がなされました。ただし、ツィクロン-4に関しては生産終了に伴い予定が中止されました。

RD-250の派生型

RD-250にはいくつかの派生型が存在し、以下のように分類されます：

• - RD-250 (GRAUインデックス8D518): シリーズの原型で、R-36に使用されています。3基のRD-250を束ねてRD-251という形態になります。
• - RD-250P (GRAUインデックス8D518P): RD-250を改良した型で、R-36Pで使用。こちらも3基を束ねてRD-251Pとなります。
• - RD-250M (GRAUインデックス8D518M): RD-250Pの更なる改良型で、R-36-Oに搭載。3基を束ねるとRD-251Mになります。
• - RD-250PM (GRAUインデックス8D518PM): RD-250Mを改良した型で、ツィクロン-3に使用されます。
• - RD-252 (GRAUインデックス8D724): 真空中での運転に最適化されたRD-250で、R-36とツィクロン-2の2段目に搭載されます。
• - RD-262 (GRAUインデックス11D26): RD-252の改良型で、ツィクロン-3の2段目に使用されます。

モジュール構成

これらエンジンの中には、複数のエンジンが組み合わされて推進モジュールを形成するものもあります。次のようなモジュールがあります：

• - RD-251 (GRAUインデックス8D723): 3基のRD-250が束ねられた、R-36（8K67）の1段目の推進モジュール。
• - RD-251P (GRAUインデックス8D723P): 3基のRD-250Pの束ねられた形態で、R-36P（8K68）の1段目の推進モジュール。
• - RD-251M (GRAUインデックス8D723M): 3基のRD-250Mが束ねられ、R-36-O（8K69）及びツィクロン-2の1段目の推進モジュール。
• - RD-261 (GRAUインデックス11D69): 3基のRD-250PMが束ねられた、ツィクロン-3の1段目の推進モジュール。

技術移転の疑念

最近の専門家の間では、RD-250エンジンの技術がウクライナから北朝鮮に移転された可能性が指摘されています。この見方は、短期間で開発された新型ミサイルである火星12および火星14に基づいています。技術の複雑さから、既存エンジンの改良やリバースエンジニアリングが難しいとされるため、RD-250エンジンそのものが闇市場を通じて直接北朝鮮に持ち込まれたと考えられています。また、北朝鮮がこれらのエンジンやR-36ミサイルをロシアや旧ソビエトから購入したのではないかとも言われています。

関連する項目

• - R-36 (ミサイル): RD-250エンジンはこのICBMのために開発されました。
• - ツィクロン-2: R-36を基にした打ち上げ機です。
• - ツィクロン-3: ツィクロン-2を基にした3段式の打ち上げ機。
• - ツィクロン-4M: R-36を基にした打ち上げ機で、系譜があります。
• - 液体燃料ロケット: RD-250はこの分類に属しています。

脚注と外部リンク

詳細や技術的な情報については、Yuzhmashの公式情報やEncyclopedia Astronauticaを参照してください。

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