ROCK'N ROLL MARCH

アルバム『ROCK'N ROLL MARCH』の紹介

『ROCK'N ROLL MARCH』は、日本の著名な歌手・沢田研二の45作目となるオリジナルアルバムで、2008年5月25日にリリースされました。本作は沢田の自主レーベルであるJULIE LABELから発売され、シングル「ROCK'N ROLL MARCH」を含む内容となっています。

作品の背景と特徴

このアルバムは、沢田の還暦を祝う重要な記念作品として位置づけられています。音楽プロデューサーには白井良明が務め、エレクトリック・ギター、キーボード、打ち込みリズムによる多彩な音の構成が施されています。また、過去の沢田の作品にも参加している伊豆田洋之や、早稲田大学混声合唱団が重厚なコーラスを提供しており、聴き応えのあるサウンドを生み出しています。

本作では、これまでの沢田の楽曲にかかわったアーティスト達が多数参加しており、八島順一やツアーメンバー、白井良明のほか、『CROQUEMADAME & HOTCAKES』（2004年）以来の吉田光や、ザ・タイガース時代の盟友である森本太郎などが名を連ねています。加えて、沢田の著名な楽曲『君をのせて』などを手がけた故・宮川泰の息子である宮川彬良も初めて迎え入れるなど、沢田の人脈が光る作品です。

歌詞とテーマ

アルバムの中でも特に目を引くのは、「TOMO=DACHI」という曲で、これは沢田が親交の深い桂ざこばに捧げた作品です。この楽曲は、関西弁で書かれた歌詞が印象的で、二人の親しい関係を感じさせます。また、『我が窮状』の「窮状」という語は「憲法第9条」を象徴するメタファーとなっており、社会的なメッセージも込められています。この曲はシングルとアルバムでバージョンが異なる点にも注目です。

さらに、アルバム収録の「Long Good-by」は、元ザ・タイガースのメンバーである森本が作曲したもので、彼の親友である瞳みのるに捧げられています。この曲では、終盤に「ピー」というコーラスが続き、リスナーの心に残るメロディが印象的です。

パッケージと今後の展望

アルバムのパッケージデザインは、シングルバージョンが黄肉種、アルバム版が赤肉種のスイカの切り身のデザインとなっており、視覚的にも楽しませてくれます。沢田は本作をもって毎年行っていたアルバム制作を縮小し、今後はミニアルバムやシングル制作にシフトする予定です。

収録曲一覧

以下は、アルバム『ROCK'N ROLL MARCH』に収録された全曲のリストです:

1. ROCK'N ROLL MARCH
    作詞:GRACE / 作曲:白井良明
2. 風に押されぼくは
    作詞:安珠 / 作曲:吉田光
3. 神々たちよ護れ
    作詞:沢田研二 / 作曲:宮川彬良
4. 海にむけて
    作詞:沢田研二 / 作曲:加瀬邦彦
5. Beloved
    作詞:GRACE / 作曲:下山淳
6. ロマンスブルー
    作詞・作曲:GRACE
7. やわらかな後悔
    作詞:GRACE / 作曲:柴山和彦
8. TOMO=DACHI
    作詞:沢田研二 / 作曲:八島順一
9. 我が窮状
    作詞:沢田研二 / 作曲:大野克夫
10. Long Good-by
    作詞:岸部一徳・沢田研二 / 作曲:森本太郎
11. 護られている I love you
    作詞:沢田研二 / 作曲:泰輝

本作は、音楽的な深さとサウンドの多様性が融合した、沢田研二の新たな一歩を感じることができるアルバムです。

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