RUM-139 VLA

RUM-139 VLA（垂直発射型アスロック）

RUM-139 VLAは、アメリカ合衆国が開発した対潜ミサイルで、垂直発射が可能な設計が特徴です。このミサイルは、既存のアスロックを基にしており、ミサイル技術の進化を反映しています。アメリカ海軍においては、特に効果的な対潜能力を向上させるための重要な兵器として位置づけられています。

来歴

1980年代初頭、アメリカ海軍は新たな対潜ミサイルの開発に着手しました。これは、水上艦のアスロックと潜水艦のサブロックを同時に代替することを目指したものでしたが、技術的な困難と財政的な問題から、開発は予想以上に進捗しませんでした。このため、1983年に水上艦用の漸進的な対潜ミサイルを開発する決定が下されました。この新型は、既存のアスロックを改良し、Mk.41垂直発射システム（VLS）に対応した構造へと進化しました。

1990年、当初開発中であったシーランスは中止となり、RUM-139 VLAの開発が本格化しました。1993年から生産が開始され、軍に配備された事例が増えました。

設計

RUM-139 VLAは、アスロックの基本デザインに固体ロケットブースタを追加し、推力偏向機構を取り入れたものです。この設計により、ミサイルは垂直に発射され、更新されたAN/SQS-53探信儀の探知範囲に対応した射程を持つことができました。

VLAでは、慣性航法装置（INS）が搭載され、オートパイロット機能を利用して飛翔精度が向上しています。ミサイルの飛翔中は低い高度を維持し、発射後に仰角を調整します。また、弾頭はMk.46 Mod.5A短魚雷ですが、その後Mg.54弾頭に更新されています。

運用国と装備艦艇

RUM-139 VLAは、主にアメリカ海軍および海上自衛隊で採用されています。

• - アメリカ海軍

- スプルーアンス級駆逐艦（VLS装備改装後、24隻へ搭載）
- タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦（VLS搭載艦）
- アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦

• - 海上自衛隊

- こんごう型護衛艦
- むらさめ型護衛艦
- たかなみ型護衛艦
- あたご型護衛艦
- ひゅうが型護衛艦
- あきづき型護衛艦

登場作品

RUM-139 VLAは多くの作品に登場しています。アニメ『ジパング』では、架空のイージス護衛艦「みらい」が装備兵器として登場します。小説『MM9』では、護衛艦が怪獣と戦うシーンで使用されています。また、ゲーム『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』にも登場し、ストーリーの中で重要な役割を果たしています。

このように、RUM-139 VLAはその技術的な挑戦とともに、アメリカ海軍及び海上自衛隊にとって重要な対潜ミサイルとして、またさまざまなフィクションにおいても印象的な存在とされています。

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