RWD-13 (航空機)

RWD-13の概要と歴史

RWD-13は、1935年にポーランドのRWD社によって開発された軽飛行機で、3人乗りの設計です。この機は、ポーランド国内だけでなく多くの国に輸出され、民間と軍事の両方で幅広く運用されました。RWD系列の中では、彼らが開発した軍用練習機RWD-8に次いで、2番目に多く製造された機種であり、約100機が生産されています。

開発背景

RWD-13は、ポーランドの空中防衛を担うLOPP（空気と化学防衛連盟）の要求を受けて設計されました。その設計には、1932年の空中競技大会で優勝したRWD-6と、1934年の同大会で優勝・準優勝したRWD-9の成果が反映されています。1935年1月に初飛行を果たしたこの機体は、ワルシャワのDWL工場に在籍するStanisław RogalskiとJerzy Drzewieckiによって開発されました。

試作機は、破損したRWD-6から部品を再利用して作られましたが、その全体構造は最新のRWD-9に似ていました。最も目立つ違いはエンジン出力の違いです。RWD-9に搭載されていた216kW（290hp）の空冷9気筒星型エンジンに対し、RWD-13は130hp（96kW）の空冷4気筒直列型エンジンを搭載しています。これにより、機首がスリムな形状になっています。エンジン出力は減少しましたが、優れた機体設計により、STOL性能や機体の安定性は維持されました。

生産とバリエーション

基本型RWD-13は、1935年から1939年までに約85機生産されました。1937年には、航空救急機タイプのRWD-13Sが開発され、右舷側にはストレッチャー搬入用の大型ハッチが設けられました。また、通常型と救急機型を使い分けることができるコンバーチブル型RWD-13TSも登場しました。RWD-13SとRWD-13TSは、合わせて約15機が製造されています。

さらに、同じ年には、RWD-13をベースにした5人乗りのRWD-15も開発され、6機が製造されました。1938年には、ユーゴスラビアにRWD-13のライセンス生産が行われ、Rogožarski社でRWD-13とRWD-13Sが製造されました。

運用史

RWD-13はポーランド国内の民間航空会社や個人オーナーによって広く使用されました。また、LOTポーランド航空でも2機が運用されています。特に救急機型のRWD-13Sはポーランド赤十字社やポーランド空軍でも使用され、第二次世界大戦勃発時には連絡機としても活躍しました。

大戦後の1947年にはルーマニアから4機がポーランドに返却され、1953年から55年にかけて使用されました。そのうちの1機は現在、ポーランド航空博物館に展示されています。

第二次世界大戦が始まると、多くのRWD-13がルーマニアへ逃れ、ルーマニア国内で民間および軍事用途に使用されました。特に、女性によって結成された救護飛行隊「エスカドリラ・アルバ」により、RWD-13Sは救急搬送機として活躍しました。

また、スペインにも約20機が輸出され、内戦時にはナショナリスト派によって使用されました。さらに、イスラエルにも3機が売却され、ハガナーの航空兵の訓練に使用され、第一次中東戦争では連絡機や負傷兵搬送に活躍しました。

運用国

RWD-13は、ポーランドをはじめとしてルーマニア、スペイン、イラン、ブラジル、エストニア、イスラエルなど多くの国で運用されました。特に、ブラジルでは1960年代まで運用されていたことが知られています。

RWD-13はその設計の優秀さから、さまざまな国で利用され続け、飛行機史において重要な存在となりました。

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