Raufoss Mk 211

Raufoss Mk 211 弾薬の特徴とその議論

Raufoss Mk 211は、ノルウェーのNAMMO社によって開発された12.7x99mm NATO弾に対応した多目的弾頭です。この弾薬は、徹甲弾、炸裂弾、焼夷弾の3つの機能を兼ね備えたHEIAP（High-Explosive Incendiary Armor Piercing）の一種として知られています。特に、タングステンの弾芯が使われており、高い装甲貫通力を誇ります。貫通後は内蔵された爆薬が炸裂し、周囲に対して大きなダメージを与えることが可能です。非常に効果的なこの弾薬は、バレットM82などの狙撃銃に用いられ、特に対物狙撃能力が必要とされる場面で利用されています。ノルウェー軍においては「NM140」、アメリカ軍では「Mk.211 Mod 0」という名称で広く知られています。

使用の合法性

Raufoss Mk 211の使用に関しては、特に対人使用の合法性について多くの議論が巻き起こされています。国際的な人道法に基づき、爆発力または焼夷能力を持つ弾薬については規制が求められており、赤十字国際委員会も使用禁止を目指す議論を展開しています。1868年に発効されたPetersburg宣言においては、爆薬の重さが400グラム未満の弾薬について、軍事的な使用が禁止されています。

Forsvarets Forskningsinstituttによる実験では、もしRaufoss Mk 211が人間に命中した場合、必ずしも起爆しないことが示されています。このため、相手が防護服を着用している状態での使用では、体内で爆発するリスクが指摘されています。また、弾頭が人間の体を貫通してから起爆するまでには、約30-40センチメートル進む必要があります。人体の角度によっては、この距離が体内に収まることもあり、その結果、他の周囲の人間にも影響を及ぼす可能性があるのです。

多国間の取り組み

この弾薬を使用している数多くの国々では、人間に対しての使用禁止を命じる訓練が行われています。具体的には、ノルウェー政府は12.7mmの弾薬が人員に対して用いるべきではないとの公式な見解を示しています。また、対物狙撃能力に基づき、輸出に対しても厳しい規制が設けられています。対照的に、アメリカ合衆国ではこの弾薬をさまざまな目標に対して使用することが許可されており、政策としてあらゆるターゲットに適応されるとされています。

Raufoss Mk 211はその多機能性ゆえに、特に軍事現場における利用シーンが注目されていますが、その合法性と倫理的な側面についての議論は続いており、今後も関心が寄せられることでしょう。

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