SEWACO

SEWACO（SEnsor, WeApon COntrol system）

オランダのシグナール社が開発したSEWACOは、海軍向けの最新鋭戦術級C4Iシステムです。このシステムは、艦船における戦闘システム全体を統括し、戦術情報を的確に処理する役割を果たしています。また、輸出用にはSTACOSやTACTICOSが用意され、各国の海軍に広がりを見せています。

開発の歴史

SEWACOの開発は1960年代中頃から始まり、初めてのモデルは1975年から1976年にトロンプ級フリゲートに搭載されて運用が開始されました。設計は、アメリカの海軍戦術情報システムを参考にしながらも、完全に独自のプログラムとハードウェアで構成されています。

システムの構成

SEWACOの構成要素には、SMRシリーズのコンピュータが含まれ、異なるタイプのコンソールが2種類あります。海図を水平に表示するHDCと、従来の縦型のディスプレイを持つVDCです。SEWACOは通常、艦の戦闘システム全体を指すことが多いため、単体の指揮装置を指す場合はDAISYと呼ぶこともあります。

各世代の展開

第一世代

• - SEWACO I: オランダ海軍のトロンプ級フリゲートに1985年に搭載。
• - SEWACO II: 1975年にコルテノール級フリゲート向けに開発され、7基のレーダー・ディスプレイを備えています。
• - SEWACO V: 1976年、オランダのファン・スペイク級フリゲートの近代化に対応。

第二世代

• - SEWACO VII: 1985年に導入され、カレル・ドールマン級フリゲートに搭載されました。分散処理方式を採用し、MC68000シリーズのCPUを使用。多様な端末が接続され、艦の戦闘機能を強化。
• - SEWACO VIII: 1979年に開発され、ワルラス級潜水艦などに採用されています。

第三世代

• - SEWACO XI: SEWACO VIIの進化型で、デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲートに搭載。商用オフザシェルフの技術を積極的に採用し、非常にモジュラー化されています。

STACOSおよびTACTICOS

SEWACOの発展系としてSTACOSおよびTACTICOSがあり、特にMEKO型フリゲートに多く搭載されています。STACOSは初めはFORESEE/DAISYの名称で呼ばれ、後にTACTICOSに改名されました。TACTICOSは分散処理を行い、SEWACO XIの基盤の上に技術が構築されています。

結論

SEWACOシステムは、戦術情報を効率的に処理し、揺るぎない戦闘能力を海軍にもたらしています。これにより具体的な戦術の支援が実現され、現代の海戦術に貢献しています。その柔軟性と拡張性は、これからの海軍戦略にも重要な役割を果たすことでしょう。

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