SH-07C

ブックリーダー SH-07C：詳細解説

2011年、シャープから発売された電子書籍リーダー、SH-07Cは、快適な読書体験を提供する端末として注目を集めました。NTTドコモのFOMA通信とWi-Fiに対応し、場所を選ばずに電子書籍のダウンロードや閲覧が可能です。通話機能はありませんが、データ通信に特化した設計となっています。

ハードウェアと基本機能

SH-07Cは、GALAPAGOSシリーズをベースに開発されており、5.5インチ1024×600ドットのタッチパネルディスプレイを搭載。片手操作を考慮したトラックボール、リターンキー、Homeキーも備えています。モーションセンサーにより、端末の傾きを検知し、画面の縦横切り替えを自動で行う機能も備えています。

OSにはAndroidを採用。電子書籍閲覧だけでなく、インターネットブラウジングも可能です。Flash Lite 4.0に対応しており、Flashコンテンツの閲覧も可能です。ただし、Androidマーケットへのアクセスは制限されており、アプリの追加はできません。Gmail等のWebメールは利用可能です。

通信速度はFOMAハイスピード（下り7.2Mbps、上り5.7Mbps）に対応。高速なデータ通信により、快適な電子書籍のダウンロードとインターネットブラウジングを実現しています。データ通信は、原則として定額データプランでの利用が想定されています。8GBのmicroSDHCメモリーカードが同梱されています。

電子書籍サービスと対応フォーマット

SH-07Cは、XMDF、.book、BookSurfing、コミック用フォーマットなど、様々な電子書籍フォーマットに対応しています。日本の雑誌、マンガ、新聞などの閲覧にも対応する次世代XMDFにも対応している点が大きな特徴です。

コンテンツ提供サービスとして、NTTドコモと大日本印刷が提携する2Dfactoと、シャープとカルチュア・コンビニエンス・クラブが提供するTSUTAYA GALAPAGOSに対応しています。両サービスともに、書籍の立ち読み、定期購読、おすすめ配信などの機能を提供しています。

TSUTAYA GALAPAGOSでは、レイアウトを変えずに文字サイズを拡大する機能、マーカー機能、辞書検索機能、パソコンとのしおり同期機能などを提供。2Dfactoでは、電子書籍の購入・閲覧に加え、bk1、丸善、ジュンク堂、文教堂といった書店での紙媒体書籍のオンライン購入も可能です。

PCとの連携とアプリケーション

シャープが提供するPCアプリケーション「GALAPAGOS Station」を使用することで、SH-07Cとパソコンを連携させることができます。TSUTAYA GALAPAGOSのコンテンツ管理、PC内のコンテンツをmicroSDHCカードへの書き込みが可能です。お気に入りの書籍グループを作成し、SH-07Cと同期させることもできます。PDFやテキストデータなどのパソコンデータは、XMDF形式に変換してSH-07Cで閲覧できます。

プリインストールアプリとして、「明鏡国語辞典MX」、「ジーニアス英和辞典MX」、「ジーニアス和英辞典」が搭載されています。

沿革

2010年11月8日：製品発表
2011年1月12日：2Dfactoサービス開始
* 2011年1月21日：発売開始

まとめ

SH-07Cは、快適な操作性と豊富な機能、そして多様な電子書籍サービスへの対応により、充実した読書体験を提供する電子書籍リーダーでした。当時としては先進的な機能を備えており、電子書籍市場の発展に貢献したと言えるでしょう。ただし、Androidマーケットへのアクセス制限やアプリの追加不可といった点も踏まえると、現在の電子書籍リーダーと比較すると機能面での制限は感じられるかもしれません。それでも、その時代の技術を反映した、貴重な電子書籍リーダーとして記憶されています。

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