SIN IN JUSTICE

「SIN IN JUSTICE」は、フィンランドのチェロ・ロック・バンドAPOCALYPTICAと日本のロックユニットVAMPSがコラボレーションしたシングルとして、2015年11月20日にリリースされました。この楽曲は、世界254の地域で同時配信され、音楽シーンに大きなインパクトを与えました。

楽曲の背景

APOCALYPTICAとVAMPSの出会いは、モトリー・クルーのニッキー・シックスが主導するプロジェクト、SIXX:A.M.の全米ツアーに両者が参加したことがきっかけです。ツアーを通じて親交を深めた彼らは、互いの音楽性に共鳴し、コラボレーションのアイデアが生まれました。

HYDEは、コラボレーションについて「SIXX:A.M.のツアーの時に、今度一緒にツアーしようよとか、曲作ろうよとか言ってたんですけど、それが実現しました」と語り、K.A.Zが作曲し、APOCALYPTICAがチェロを加え、HYDEが歌うという形で楽曲が制作されたことを明かしています。また、「80年代風の雰囲気もありながら新しくもある、“新しいVAMPSのカラー”を出せた」と、楽曲の仕上がりに対する自信を覗かせています。

APOCALYPTICAも、「VAMPSとツアーをしていて楽しくて、充実した時を一緒に過ごしたんだ。この時に彼らと一緒にイギリスと日本でもツアーをしないか、というアイデアが生まれたんだ。一つの事を切っ掛けに次の話になり、曲も一緒に作る事になったんだ。最高だよね」と、コラボレーションを喜んでいます。

楽曲について

作曲を担当したK.A.Zは、楽曲の原型について「遊びでいろいろやってたら、何気にストリングスっぽい曲が出来て、"あ、こういう雰囲気は面白いかも"って」と語り、APOCALYPTICAとのコラボレーションを想定し、影のある劇的なイメージで制作を進めたことを明かしています。

APOCALYPTICAのエイッカ・トッピネンは、「SIN IN JUSTICE」を「とても美しい楽曲」と評し、VAMPSの楽曲全体についても「アメリカのサウンドを取り入れながらアメリカのバンドとはどこか違う新鮮さがある」と語っています。

HYDEは、楽曲のイメージについて「ニューウェーブっぽい曲」と述べており、メロディに関しても「聴いた感じがデペッシュ・モードっぽかったから、メロディも歌い方もなんとなく意識してみました」と、影響を受けたアーティストについて語っています。

歌詞の世界観

HYDEは、歌詞について「最初はホント選挙のイメージだったんですよ。いわゆる国のリーダーみたいな人たちが、“これが正しい”と思って国民に訴えかけるんだけど、それは本当に国民のこと考えてやってるのかなって」と語り、勝つことを正義とする者への疑念を込めたことを明かしています。サビの「(Sin in justice) Do you understand?」というフレーズには、「"正義の中に罪があるのがわかるかい？"って問いかける感じ」と、HYDEのメッセージが込められています。

ライブパフォーマンスとその後

リリースから約2ヶ月後の2016年1月19日には、MTVアンプラグドでVAMPSとAPOCALYPTICAによるライブパフォーマンスが披露され、話題を呼びました。また、2019年9月26日には、ゲーム『CODE VEIN』のエンディングテーマに起用され、新たなファンを獲得しました。

参加ミュージシャン

HYDE：Vocal
K.A.Z：Guitar, Bass, Programming
Eicca Toppinen（APOCALYPTICA）：Violoncello, Programming
Paavo Lötjönen（APOCALYPTICA）：Violoncello
Perttu Kivilaakso（APOCALYPTICA）：Violoncello
Mikko Sirén（APOCALYPTICA）：Drums

「SIN IN JUSTICE」は、APOCALYPTICAとVAMPSという異色の組み合わせが生み出した、音楽の可能性を広げる革新的な楽曲です。ヘヴィなサウンドと美しいメロディ、そしてHYDEのメッセージが込められた歌詞が、聴く者の心を揺さぶります。

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