SISTERS 〜夏の最後の日〜

『SISTERS 〜夏の最後の日〜』は、2011年4月28日にジェリーフィッシュから発売されたアダルトゲームです。略称は『SISTERS』。前作『GREEN 〜秋空のスクリーン〜』、『LOVERS 〜恋に落ちたら…〜』に続く、ジェリーフィッシュの第3作にあたります。2013年2月22日には、改訂版である『SISTERS 〜夏の最後の日〜 ULTRA EDITION』が発売されました。

概要

企画当初は『電撃姫』2006年 3月号にて、『Black and White』や『GREEN 〜秋空のスクリーン〜 DVD EDITION』と共に『sisters』の仮タイトルで同時制作発表が行われました。しかし、その後は発売延期を重ね、東北地方太平洋沖地震の影響も受けるなど、開発は難航しました。2011年4月28日にようやく発売に至りました。

開発

監督は滝美梨香、プロデューサーはbucciが担当。『VIPER -M1- THE MAY WORKS』で実績のある神坂公平をキャラクターデザイン・総作画監督に起用するなど、アニメ部分の制作は社外への発注が多くなっています。背景画は空気遠近法を意識した淡い配色で、新海誠の作品に近い色調となっています。

企画は『LOVERS』の後に立ち上がりました。bucciは「アニメに特化して、ボリュームが無駄に肥大しないゲームをコンセプトに、外注メインでちょっと楽に作ろうと」と述べています。開発は約5年にも及び、業界関係者視点では約3年6か月の「謎の空白期間」が存在するようです。動画は通常シーンに2959枚、セックスシーンに5759枚の合計8718枚が費やされました。

ゲームシステム

基本的には前作と同様で、ゲーム性は低いですが、テキスト部分は地の文がほとんど用いられておらず、グラフィックやサウンドでの描写に重点が置かれています。アドベンチャー部分の人物描画はすべてセックスシーンと同一のセル画調で、アニメーションも導入されています。物語の舞台である白い家の屋内を移動する際には3DCG移動ムービーが流れます。企画から発売まで約5年もかかった影響で、対応OSはWindows XP以降に変更されました。

シナリオ

分岐が少なく、各ヒロインとの個別エンディングも存在しない、1本道のやや短編となっています。物語は1990年 8月1日から8月17日までの17日間で、都会から離れた洋風家屋を舞台に、主人公とヒロインたちの交流が描かれます。主人公の身辺状況は具体的に描かれておらず、断片的な描写からうかがえるようになっています。ゲーム本編の年代を1990年と設定した理由は、bucciによれば「外界との連絡手段を固定電話に限定することによって、家族どうしが直接会話できないようにしたかった」とのこと。主人公が記憶障害を患っていることや、主人公とヒロインたちが近縁に当たることが示唆されるなど、前作に無かった要素も導入されています。

セックスシーン

実写AVを参考にした構図・体位・射精描写が散見されます。特に、性器を結合させた主人公とヒロインがピストン運動のラストスパートから絶頂を経て膣内射精の完遂へ至る一連の描写は強調されています。舌の描写も強調されており、ディープキスをはじめフェラチオやクンニなどの際に緻密な描き込みを伴いながら艶かしく蠢く様子が描かれます。物語終盤には、主人公とヒロイン2人による3Pも導入されています。

bucciによれば「そもそも僕が企画段階で一番やりたかったコトって言うのは3Pのセックスシーンだったわけで。ただ、そういう多人数プレイってのはアメリカンなノリになりやすいというか、ちょっと笑える空気が出やすいんですよ。そうじゃない恋愛感情と密接にある3Pっていうのを凄くやりたかった。ゲーム感覚のセックスでなくお互いの気持ちが結びついたセックスにしたかった」とのこと。

登場人物

主人公：記憶障害を患う少年。デフォルト名はけいすけ。
神村春香：ヒロインの一人。黒髪ロングヘアの美少女で、千夏の姉。主人公の異母妹。
神村千夏：ヒロインの一人。栗色のセミロングヘアの美少女で、春香の妹。主人公の異母妹。
神村秋子：ヒロインの一人。金髪ポニーテールヘアの美女で、春香と千夏の母。主人公の継母。

ULTRA EDITION

2013年2月22日には、従来の製品版に代わる改訂版『SISTERS 〜夏の最後の日〜 ULTRA EDITION』が発売されました。従来のセックスシーンへ動画を追加したり、シナリオの段階から新規のセックスシーンを追加するといった開発が行われました。

bucciはUE版を企画した理由について「商品が出た時に、まだまだやりたかったなという思いが強かったんですね。何がやりたかったかというと一番は、セックスのアニメーションをもっともっと尺を取りたかった」と述べています。

動画は旧版の8718枚に加え、セックスシーンに3648枚を追加した合計12366枚が費やされました。

旧版からの変更点として、ヒロインたちの設定が旧版の旧パッケージ外箱に記載されていたものへ変更されている、セックスシーンについては旧版の絵コンテのボツ分を復活させたものがある、テキストウィンドウの背景色が青へ変更された、白い家の屋内を移動する際に流れる3DCG移動ムービーの一部がスキップできるようになった、主題歌の合成音声が旧版よりさらに人間の肉声らしく聞こえるものへ差し替えられた、などがあります。

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