SLEEP WALKER

SLEEP WALKER

SLEEP WALKERは、日本のジャズ・シーンにおいて、従来の枠にとらわれない革新的なサウンドを展開したバンドです。特に「クラブジャズ」と呼ばれる新しい音楽スタイルを追求し、2000年代を中心に国内外でその存在感を示しました。バンドの中心人物は、かつてMONDO GROSSOで活躍したサクソフォーン奏者およびフルート奏者である中村雅人です。彼を中心に、才能あふれるミュージシャンが集結し、唯一無二の音楽性を築き上げました。

来歴

SLEEP WALKERの活動は、中村雅人（サクソフォーン、フルート）を核として、吉澤はじめ（ピアノ、キーボード）、池田潔（ベース）、藤井伸昭（ドラム）といった実力派プレイヤーが集まることで始まりました。彼らは結成後、間もなくその独創的な音楽性を世に問うことになります。

2000年、彼らはインディーズ・レーベルであるESPECIAL RECORDSから、12インチ・シングル盤「愛の河（Ai-No-Kawa）」をリリースしました。この初期のリリースは、バンドの方向性を示す重要な一歩となりました。翌2001年には、世界的にも著名なジャズ・ピアニスト、マッコイ・タイナーのロンドン公演にゲストとして招かれ、海外での評価を得る機会を得ました。

本格的なアルバム作品としては、2003年にバンド名を冠したセルフタイトルのアルバムを発表しました。この作品は、彼らのサウンドを広く知らしめるきっかけとなりました。さらに2004年には、ジャズ界の巨匠であるファラオ・サンダースとの共演が実現。この貴重なセッションは、後のアルバム『The Voyage』（2006年）に収録されたタイトル曲「The Voyage」として結実しました。

2007年にリリースされたアルバム『WORKS』は、国内において大きな成功を収めました。日本の主要CDチェーンであるタワーレコードのジャズ部門のチャートで第1位を獲得し、その人気と実力を広く証明しました。同年には、人気DJ・プロデューサーである沖野修也との共同名義によるアルバム『United Legends" Replayed By Sleep Walker』も発表するなど、精力的な活動を続けました。

音楽的特徴

SLEEP WALKERのサウンドを特徴づける要素の一つに、楽曲の中に複数の異なるリズム・パターンを巧妙に共存させる手法が挙げられます。彼らの代表曲とも言える「愛の河（Ai-No-Kawa）」や、ファラオ・サンダースとの共演曲「The Voyage」といった楽曲にこの特徴は顕著に現れています。これにより、聴き手は予測不能でスリリングな音楽体験を得ることができ、ダンスミュージックとしての側面と、ジャズ本来の即興性や複雑性が融合したユニークなグルーヴが生み出されています。こうしたアプローチは、彼らが目指した「クラブジャズ」というスタイルの核をなすものであり、従来のジャズとは一線を画す革新性を示しています。

ディスコグラフィ

SLEEP WALKERは、主に以下のアルバムをリリースしています。

`sleepwalker`, CD(KSR)/LP(Especial)（2003年）
`The Voyage`, CD(Village Again)/LP(Especial)（2006年）（収録曲「The Voyage」はファラオ・サンダースとの共演）
`WORKS` (Village Again), CD（2007年7月）
`沖野修也と共作", "United Legends" Replayed By Sleep Walker` (Geneon), 2CD（2007年10月）
* `Into The Sun`, (Jazzmin), CD（2008年）（コンピレーション）

これらの作品は、彼らの音楽的な軌跡を示す貴重な記録であり、革新的なジャズサウンドの探求の成果として、現在も多くの音楽ファンに聴き継がれています。

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