SMBCアビエーション・キャピタル

SMBCアビエーション・キャピタル（SMBC Aviation Capital）は、日本の金融グループである三井住友銀行グループの一員として、航空機リース事業をグローバルに展開する企業です。その起源は、かつてロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループ（現在のナットウエスト・グループ）に属していたRBSアビエーション・キャピタルに遡ります。本社機能はアイルランドの首都ダブリンに置かれており、主要な航空市場に対応するため、東京、ニューヨーク、マイアミ、アムステルダム、トゥールーズ、シンガポール、北京、上海、香港など、世界各地に拠点を設けています。

歴史

RBSアビエーション・キャピタルとしての歴史は、2007年に端を発した世界的な金融危機の影響を受けることから始まりました。この経済情勢の混乱期において、同社は当時発注していたボーイング787型機25機（約38億ドル相当）の注文をキャンセルするという決定を下しました。その後、市場の動向を見極めつつ、2010年7月のファーンボロー国際航空ショーでは、総額76億ドルに上る大規模な機材発注を行いました。具体的には、エアバスA320型機を52機、ボーイング737-800型機を43機、それぞれ追加で発注しています。

同時期、親会社であるRBSグループは大規模な再編を進めており、その中で航空機リース事業は非中核事業と位置づけられ、売却の計画が立てられました。しかし、2010年4月にはこの売却計画は一旦凍結されています。また、この年には、RBSアビエーション・キャピタルの経営に携わっていた数名の重要なマネージャーが会社を離れ、競合する別の航空機リース企業であるアボロンへと移籍するという動きも見られました。

SMBCグループ傘下への移行

航空機リース事業の戦略的な見直しが進む中、2012年1月17日、RBSはRBSアビエーション・キャピタルを三井住友銀行、三井住友ファイナンス＆リース、住友商事という日本の有力企業3社で構成されるコンソーシアムに対して売却することで合意したと発表しました。この取引の売却額は73億ドルとされ、同年の第3四半期までに売却手続きを完了する予定であることが公表されました。そして、合意から約4ヶ月後の2012年6月1日、この大型買収は無事に完了し、会社は正式にSMBCアビエーション・キャピタルへと名称を改め、三井住友銀行グループの一員として新たなスタートを切りました。

SMBCグループ傘下となった後、事業基盤の強化と拡大を目指し、組織再編も進められました。2012年10月15日には、それまで三井住友ファイナンス＆リースと住友商事がそれぞれ展開していた航空機関連事業会社3社（SMFL Aircraft Capital Corporation B.V.、SMFL・エアクラフト・キャピタル・ジャパン株式会社、Sumisho Aircraft Asset Management B.V.）をSMBCアビエーション・キャピタルに統合する計画が発表され、グループ内での航空機リース事業の一元化が進められました。

事業拡大の一環として、2013年11月29日には、日本の主要航空会社である全日本空輸（ANA）との間で、同社が保有するエアバスA320-200型機3機に関するリース契約を締結したことが発表されており、国内の航空会社との取引も積極的に行っています。

保有する航空機材

グローバルな航空機リース事業者として、SMBCアビエーション・キャピタルは多種多様な航空機を保有し、世界各国の航空会社にリースしています。2019年時点での主な保有機材は以下の通りです。

エアバスA319-100：6機
エアバスA320-200：129機
エアバスA321-200：22機
エアバスA320neo：193機
エアバスA321neo：34機
エアバスA350-900：8機
ボーイングB737-800：172機
ボーイングB737 MAX 8：117機
ボーイングB737 MAX 9：6機
ボーイングB787-8：15機
ボーイングB787-9：9機
その他：20機

上記の機材を合計すると、2019年時点で総計731機の航空機を管理・保有しています。これは、同社が世界の航空機リース市場において主要なプレイヤーの一つであることを示しています。

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