SO213iWR

mova SO213iWR（RADIDEN）について

mova SO213iWR、通称「RADIDEN」は、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ（現在のソニーモバイルコミュニケーションズ）が開発し、NTTドコモから発売された第二世代携帯電話です。2005年8月29日に発表され、同年10月1日に発売されました。

製品の特徴

この機種の最大の特徴は、FMラジオ、AMラジオ、そしてアナログテレビ音声（VHF帯）の3バンドに対応したラジオチューナーが内蔵されている点です。携帯電話の背面にはラジオ専用の液晶と選局ボタンが配置されており、ラジオ機能は携帯電話の電源とは独立して動作するため、携帯電話の電源を切った状態でもラジオを聴くことができました。もちろん、iモードやメールなどの携帯電話機能を使用しながらラジオを聴くことも可能です。

当時としては珍しく、AMラジオを搭載した携帯電話でした。AMラジオは携帯電話内部の電子機器から発生するノイズの影響を受けやすく、雑音が混入しやすいという問題がありました。そのため、この機種が発売されるまで、AMラジオを搭載した携帯電話はほとんど存在しませんでした。しかし、RADIDENでは、ノイズの発生源となる機器からノイズを除去する技術や、アンテナの配置を工夫することで、AMラジオのクリアな受信を実現しました。

携帯電話としての基本機能は、同時期の「premini」シリーズと同じ21xシリーズに属するため、カメラ、iアプリ、赤外線通信などの機能は搭載されていません。また、FOMA（第三世代携帯電話）では扱う周波数帯が高く（2GHz帯）、技術的な課題を解決できなかったため、最終的にmova（第二世代携帯電話）として発売されました。

歴史と現状

2005年8月2日に電気通信端末機器審査協会 (JATE) の審査を通過し、同月29日にNTTドコモから発表されました。同年10月1日に発売されましたが、2011年7月24日に被災3県以外のアナログテレビ放送が停波し、2012年3月31日にはmovaのサービスと被災3県のアナログテレビ放送も完全に停波しました。このため、現在では完動品であってもAM/FMラジオとしての機能しか利用できません。

後継機種として、FMラジオに限定すればXperiaシリーズにも搭載されている機種が存在しますが、AMラジオは各局のFM補完中継局での対応にとどまっています。また、ラジオの聴取はNHKネットラジオ「らじる★らじる」やradikoといったインターネットラジオ、テレビの視聴はNHKプラスなどのインターネットテレビや、ソニーグループのBDレコーダー（BDZシリーズやnasneなど）との連携によるリモート視聴に移行しています。

まとめ

mova SO213iWR（RADIDEN）は、当時としては画期的なAMラジオ搭載の携帯電話でした。しかし、時代の流れとともに携帯電話としての役割を終え、現在はラジオ専用機として利用されています。技術の進歩により、ラジオやテレビの視聴方法は変化しましたが、この機種が持つユニークなコンセプトは、今もなお興味深いものです。

関連情報

• - ITmedia +D モバイル：AMラジオやテレビの音声を聞ける─ドコモの「RADIDEN」

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