STS-106

STS-106：国際宇宙ステーション（ISS）補給ミッション

STS-106は、スペースシャトル・アトランティスによって行われた国際宇宙ステーション（ISS）への補給ミッションです。このミッションの主な目的は、ISS初の長期滞在クルーが活動を開始するにあたり、必要な物資や機材を運び込み、ISSの機能を拡充することでした。

ミッション概要

アトランティスは2000年9月8日に打ち上げられ、約12日間のミッションを遂行しました。ミッション中、乗組員はISSにドッキングし、3トン以上の補給品を運び込み、システムの設置・調整作業を行いました。特に重要な作業として、電源ケーブルやデータ通信ケーブルの接続、バッテリーの設置、電圧電流安定装置の設置などが行われました。また、ISSの軌道高度を上げるための推進作業も実施されました。

乗組員

STS-106には、以下の7名の乗組員が搭乗しました。

船長：テレンス・ウィルコット
操縦手：スコット・アルトマン
ミッションスペシャリスト1：エドワード・ルー
ミッションスペシャリスト2：リチャード・マストラキオ
ミッションスペシャリスト3：ダニエル・バーバンク
ミッションスペシャリスト4：ユーリ・マレンチェンコ
ミッションスペシャリスト5：ボリス・モロコフ

船外活動

ミッション中、エドワード・ルーとユーリ・マレンチェンコは、ISS外部で6時間14分に及ぶ船外活動を行いました。この船外活動では、ズヴェズダとザーリャの間に電源ケーブルとデータ通信ケーブルを接続し、ズヴェズダの姿勢を測定するための磁気センサーを設置しました。この作業は、スペースシャトルのカーゴベイから100フィート以上離れた場所で行われ、シャトルの歴史上最も遠い場所での船外活動となりました。

ミッションのハイライト

ISSへの3トン以上の補給品の輸送・設置
ズヴェズダとザーリャ間の電源ケーブル、データ通信ケーブルの接続
ISSの軌道高度上昇
ISS初の長期滞在クルーのための準備
アマチュア無線機が初めて宇宙に運ばれ、ISSに設置

STS-106は、ISSの初期段階における重要なミッションであり、その後の長期滞在ミッションの成功に大きく貢献しました。このミッションで運ばれた物資や設置されたシステムは、ISSの機能を拡張し、宇宙での科学研究や技術開発を推進する基盤となりました。

ミッションパラメータ

質量:
打上げ時: 115,259 kg
着陸時: 100,369 kg
ペイロード: 10,219 kg
軌道:
近点: 375 km
遠点: 386 km
軌道傾斜角: 51.6°
軌道周期: 92.2分
ISSとのドッキング:
ドッキング: 2000年9月10日5時51分25秒(UTC)
ドッキング解除: 2000年9月18日3時46分00秒(UTC)
ドッキング時間: 7日21時間54分35秒
宇宙遊泳:
開始: 2000年9月11日4時47分(UTC)
終了: 2000年9月11日11時01分(UTC)
* 時間: 6時間14分

出典

NASA mission summary

もう一度検索