STS-121

STS-121：スペースシャトル ディスカバリー号による国際宇宙ステーションへの補給ミッション

[STS-1]]21は、スペースシャトル・ディスカバリー号によって行われた国際宇宙ステーション]との往復ミッションです。2003年のコロンビア号事故後の[[STS-114に続く、飛行再開ミッションとして重要な役割を担いました。

搭乗員

スティーヴン・W・リンジー (4)：船長
マーク・E・ケリー (2)：操縦手
マイケル・E・フォッサム (1)：ミッション・スペシャリスト(MS)
ピアーズ・セラーズ (2)：MS
リサ・ノワック (1)：MS
ステファニー・ウィルソン (1)：MS
トーマス・ライター (2)：ISSフライトエンジニア、第13次長期滞在クルー

※括弧内の数字は、その宇宙飛行士の今回のフライトが何回目であるかを示しています。

クルーに関する特記事項

当初、トーマス・ライターのISS滞在クルーのポジションは、セルゲイ・A・ヴォルコフが務める予定でしたが、打ち上げの延期に伴い変更されました。また、ピアーズ・セラーズは、健康上の問題で搭乗できなくなったカルロス・I・ノリエガの代替として選ばれました。コロンビア号の事故とシャトル飛行の延期により、ISSの滞在要員は2名に減っていましたが、今回のミッションでライターが加わったことで3名体制に戻りました。

ミッションの背景と目的

このミッションでは、クルーはスペースシャトルの安全性を高めるために設計された、熱防護システムの点検・修理に関する装置と手順の試験を継続しました。また、将来のISS拡張に備えて、多くの補給品と貨物をISSへ輸送することも重要な目的でした。

コロンビア号事故後、NASAは安全試験を強化するため、本来STS-114に割り当てられていた活動を2つに分割し、2回の試験飛行を行うことを決定しました。事故以前は、STS-118とSTS-121がコロンビア号のミッションとして計画されていました。STS-118は、事故後にディスカバリー号に割り当てられましたが、後にエンデバー号へと変更されました。STS-121というミッション名は、元々ハッブル宇宙望遠鏡の修理ミッションのために割り当てられていましたが、事故前に別の番号が割り振られたため、再び未使用となりました。STS-115からSTS-120までは他のミッションで使用されていたため、STS-114を分割する必要が生じた際、未使用だった名前の中で最も若い番号であるSTS-121が選ばれました。

STS-121は当初、STS-114の後にアトランティス号によって2005年9月に実施される予定でしたが、アトランティス号の着陸装置に問題が見つかったため、ディスカバリー号が先にSTS-114として飛行するように変更されました。STS-114が完了し、ディスカバリー号がカリフォルニアに戻った後、スケジュールが再度変更され、アトランティス号は2006年8月に予定されていたSTS-115で飛行することになり、STS-121では元の予定通りディスカバリー号が飛行することになりました。打ち上げは、液体水素遮断センサー（ECOセンサー）の問題と、外部燃料タンクの断熱材剥離の問題により、2006年7月まで延期されました。

2006年5月12日、外部燃料タンクと固体ロケットブースターを取り付けるため、ディスカバリー号はオービタ整備施設からシャトル組立棟へ移動されました。5月19日には、予定されていた打ち上げに先立ち、発射台39Bに移されました。2006年7月の打ち上げ可能期間は、7月1日から7月19日までで、1日あたり10分間でした。

ミッションの詳細

ミッションの主な目的は、コロンビア号事故を受けて導入された新しい安全対策と修理技術の試験、ISSへの補給品と設備の輸送、そして[欧州宇宙機関]のドイツ人宇宙飛行士であるトーマス・ライターの輸送でした。悪天候による2度の延期の後、2006年7月4日14:37:55(EDT)に打ち上げに成功しました。スペースシャトルの打ち上げがアメリカ独立記念日に行われたのは、これが初めてでした。13日間のミッション期間の後、7月17日9:14:43(EDT)にケネディ宇宙センターに帰還しました。

STS-121は、ISS組み立てミッションULF1.1としても知られています。STS-114に続き、「コロンビア号事故調査委員会」の報告書に対する勧告を実行するという意味で、今回のミッションは「Return To Flight(飛行再開)」ミッションとみなされました。

ミッション・パラメータ

質量: 121092 kg (軌道投入時)
近地点: 352.8 km
遠地点: 354.2 km
軌道傾斜角: 51.6°
周期: 91.6 分

ハードウェア

外部タンク: ET-119
固体ロケットブースター: BI-126 & RSRM-93
メインエンジン: s/n 2052, 2054, 2045
軌道変更エンジン: LP-01/35 RP-03/33

ISSへ運ばれた装置

冷凍冷蔵庫: MELFI (Minus Eighty Degree Laboratory Freezer for ISS) - ESAが開発した、-80℃、-26℃、+4℃に設定可能な4つの独立した引出しを持つ冷凍冷蔵庫。実験試料などを冷凍保存するために使用されます。容量は300リットルです。
EMCS (European Modular Cultivation System) - それぞれ4つの実験用カートリッジを設置できる2つの遠心分離機を搭載した培養器。植物や細胞実験などに使用されます。ヨーロッパとNASAエイムズ研究センターに装置のコピーがあり、地上で同じ実験が行われます。
米国の酸素発生システム (Oxygen Generation System: OGS) - 将来ISSの滞在要員が6名になった際に使用できるよう設計された装置で、水を電気分解して酸素を精製します。ロシアのモジュール・ズヴェズダの酸素発生装置「エレクトロン」を補完する役割を果たします。
新しいサイクリングマシン: デンマーク製の装置で、ISSクルーのエクササイズに使用されます。CEVIS (Cycle Ergometer with Vibration Isolation System)
エアコン
その他、ISSとシャトルのプリンタが交換されました。

関連情報

国際宇宙ステーションの利用補給フライト ULF1.1（STS-121） - JAXA

関連項目

スペースシャトル
* STS-114

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