STS-134

STS-134：エンデバー最後の輝き、宇宙の謎に迫るミッション

[STS-1]]34は、2011年5月に打ち上げられたスペースシャトル・エンデバーによる国際宇宙ステーション]利用補給ミッション(ULF6)です。当初は4月29日に打ち上げ予定でしたが、トラブルにより延期されました。本飛行はエンデバーにとって最後のミッションとなり、[[スペースシャトル計画全体でも、STS-135が追加されたため、最後から2番目の飛行となりました。

ミッションの目的

STS-134の主な目的は、以下の2点でした。

アルファ磁気分光器（AMS-02）のISSへの設置: AMS-02は、宇宙線に含まれる反物質や暗黒物質を高精度で検出するための大型観測装置です。素粒子物理学の発展に大きく貢献することが期待されています。
エクスプレス補給キャリア3（ELC-3）のISSへの設置: ELC-3は、ISSの外部に設置される実験装置や予備部品などを搭載するためのプラットフォームです。

これらの装置をISSに設置することで、宇宙における科学研究の推進に大きく貢献することが期待されました。

ミッションのハイライト

STS-134では、上記の目的を達成するために、以下の活動が行われました。

4回の船外活動: ミッション中に計4回の船外活動が行われ、AMS-02やELC-3の設置、ISSのメンテナンス作業などが行われました。
STORRMセンサの試験: 次世代宇宙機用のランデブーセンサ候補であるSTORRM（Sensor Test of Orion Rel-nav Risk Mitigation）センサの試験が行われました。ISSから分離後、290mまで再接近する試験が実施されました。
OBSSのISSへの残置: シャトルの耐熱パネル検査に使用するOBSS（Orbiter Boom Sensor System）は、シャトル退役に伴いISSに残して帰還しました。
ソユーズ宇宙船との連携: 飛行8日目には、ソユーズTMA-20がISSから地上へ帰還する機会を利用し、ソユーズ宇宙船の窓からシャトルとISSがドッキングした状態を写真とビデオで初めて記録することに成功しました。シャトルのドッキング中にソユーズ宇宙船が帰還するのは今回が最初で最後となりました。

乗組員

STS-134には、以下の6名の宇宙飛行士が搭乗しました。

マーク・ケリー (船長)
グレゴリー・H・ジョンソン (パイロット)
マイケル・フィンク (ミッションスペシャリスト)
ロベルト・ヴィットーリ (ミッションスペシャリスト)
アンドリュー・フューステル (ミッションスペシャリスト)
グレゴリー・シャミトフ (ミッションスペシャリスト)

ケリー船長の妻であるガブリエル・ギフォーズ下院議員が頭部を銃撃されるという痛ましい事件がありましたが、ケリー船長は飛行を行う決断をし、ミッションを成功に導きました。ギフォーズ議員も回復し、打ち上げを見学することができました。

エンデバーの遺産

STS-134はエンデバーにとって最後のミッションとなりましたが、数々の科学的成果と技術的進歩をもたらしました。特に、AMS-02の設置は、宇宙の謎を解き明かすための重要な一歩となりました。エンデバーは、その輝かしい歴史を閉じた後も、人々に感動と希望を与え続けています。

参考情報

STS-134 Mission Information - NASA
国際宇宙ステーションの組立フライト ULF6（STS-134） - JAXA

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