STS-51-F

スペースシャトル STS-51-F ミッション詳細

STS-51-Fは、NASAのスペースシャトル計画における19回目の飛行であり、チャレンジャーにとっては8回目のミッションでした。1985年7月29日にケネディ宇宙センターから打ち上げられ、8月6日にエドワーズ空軍基地へ帰還しました。

ミッションの目的

このミッションの主要な目的は、スペースラブ2の運用と実験でした。その他、炭酸飲料の宇宙空間での挙動を調査する実験など、科学研究と商業利用の両面で注目を集めました。

主要ペイロード

スペースラブ2: 多岐にわたる科学実験を行うための実験モジュール。
炭酸飲料ディスペンサー評価: コカ・コーラとペプシが開発した、宇宙飛行士向けの炭酸飲料ディスペンサーの評価。

乗組員

船長: ゴードン・フラートン
操縦手: ロイ・ブリッジス
ミッションスペシャリスト1: カール・ゴードン・ヘナイズ
ミッションスペシャリスト2: ストーリー・マスグレーブ
ミッションスペシャリスト3: アントニー・イングランド
ペイロードスペシャリスト1: ローレン・アクトン
* ペイロードスペシャリスト2: ジョン＝デイヴィッド・バルトー

打上げ時のトラブル

当初、7月12日に予定されていた打ち上げは、発射3秒前にメインエンジンの冷却剤バルブの故障により中止となりました。7月29日の再挑戦で無事打ち上げられたものの、上昇中に中央エンジンの温度センサーが故障し、エンジンが停止する事態が発生しました。これは、スペースシャトル計画において唯一の飛行中のメインエンジン故障でした。

ミッションの概要

スペースラブ2では、生命科学、プラズマ物理学、天文学、高エネルギー天体物理学、太陽物理学、大気物理学など、多岐にわたる分野の実験が行われました。エンジントラブルにより予定された軌道への投入が遅れたものの、ミッションは再計画され、成功を収めました。

欧州宇宙機関(ESA)の姿勢制御装置(IPS)が初めて軌道上で試験され、太陽追跡時に問題が発生したものの、後に修正されました。また、トニー・イングランドは、宇宙空間からアマチュア無線を運用した2人目の人物となりました。

スペースラブ赤外線望遠鏡(IRT)も展開され、赤外線天文学の分野で貴重なデータを提供しました。

コカ・コーラとペプシが開発した炭酸飲料は、宇宙空間での消費が試みられ、大きな話題となりました。

着陸

チャレンジャーは、1985年8月6日にエドワーズ空軍基地に着陸しました。エンジントラブルの影響で当初の予定より17周多い軌道を周回しました。

徽章

ミッションの徽章は、チャレンジャーとスペースラブ2、そしてしし座とオリオン座が描かれています。19個の星は、このミッションがスペースシャトル計画における19回目の飛行であることを示しています。

まとめ

STS-51-Fミッションは、エンジントラブルに見舞われながらも、スペースラブ2の運用、科学実験、商業利用の試みなど、多くの成果を上げました。このミッションは、スペースシャトル計画における重要な一歩として、その歴史に刻まれています。

もう一度検索