STS-55

STS-55：スペースシャトル コロンビア、国際協力の宇宙実験ミッション

STS-55は、スペースシャトル・コロンビアによって行われた14回目のミッションであり、全体としては55回目のスペースシャトルミッションにあたります。このミッションの主要な目的は、スペースラブを利用した多国籍の科学実験を実施することであり、国際的な協力体制のもとで、多岐にわたる分野の研究が行われました。

ミッションの概要

コロンビアは、再利用可能なドイツのスペースラブを搭載し、宇宙における国際協力、探査、科学研究におけるスペースシャトルの能力を実証しました。スペースラブのモジュールと外部実験支持構造は、コロンビアのペイロードベイに格納されました。

このミッションは、[STS-6]]1-Aで開始されたドイツの微小重力実験をさらに発展させるものでした。[[ドイツ航空宇宙センター]は、2度目のミッションを実施するために設立され、DLR、NASA、ESA、フランス、日本の機関が科学プログラムに貢献しました。11か国が実験に参加し、合計88もの実験が行われ、そのうち4つはNASAが資金を提供しました。

乗組員は2交代制で、流体物理学、材料科学、生命科学、生物科学、技術、地球観測、大気物理学、天文学などの分野で実験を実施しました。これらの実験の多くは、STS-61-Aで行われた実験と同様の実験であり、1985年当時と比較して進化したハードウェアや改良された方法を用いて発展させたものでした。また、STS-61-Aでは行われなかった新しい実験もいくつか実施されました。

このミッションによって、スペースシャトルの運用日数は合計365日を超え、最も古いオービタであるコロンビアの宇宙滞在時間も100日を超えました。

STS-55では、ドイツの管制センターによって、宇宙空間に漂う物体を遠隔操作で捕捉するという、史上初の試みが行われました。また、乗組員は人体の反応を研究するために、宇宙で初めて静脈に生理食塩水を注射しました。さらに、STS-55の乗組員は、アメリカのSAREX IIとドイツのSAFEXという2つのアマチュア無線実験にも参加しました。これらの実験を通じて、世界中の学生やアマチュア無線家が、軌道上のスペースシャトルの乗組員と直接交信したり、メイヨー・クリニックの宇宙医学カンファレンスに参加したりすることができました。

乗組員

船長: スティーブン・ネーゲル
操縦手: テレンス・ヘンリックス
ミッションスペシャリスト1: ジェリー・ロス
ミッションスペシャリスト2: チャールズ・プリコート
ミッションスペシャリスト3: バーナード・ハリス
ペイロードスペシャリスト1: ウルリッヒ・ヴァルター (DFVLR)
* ペイロードスペシャリスト2: ハンス・シュリーゲル (DFVLR)

打ち上げの遅延

当初、コロンビアは2月末に打ち上げられる予定でしたが、メインエンジンの酸化ターボポンプの固定具の不具合により、3月上旬に延期されました。3つ全てのターボポンプが打ち上げ台上で交換されましたが、後の検査で固定具は良好な状態であることが判明しました。

飛行準備試験中に、船尾部分の屈曲水力ホースが破裂したため、打ち上げはさらに遅れました。ラインは取り外して検査され、3本が交換されました。

3月22日の打ち上げ試みでは、コンピュータが3番目のメインエンジンの点火が不完全であることを検出し、3秒前に自動停止しました。この問題は、燃焼前試験バルブでの液体酸素の漏れが原因でした。安全のため、3つ全てのメインエンジンが交換されました。

4月24日の打ち上げ試みは、内部測定ユニットの不具合の可能性により延期されました。

打ち上げとミッションの成功

最終的に、コロンビアは1993年4月26日午前10時50分(EDT)に無事打ち上げられました。STS-55は、国際的な協力による宇宙実験の成功例として、宇宙開発史にその名を刻んでいます。

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