STS-62-A

STS-62-A：幻のスペースシャトルミッション

STS-62-Aは、1986年に計画されていたスペースシャトル・ディスカバリーによるミッションです。その目的は、偵察衛星を極軌道に投入することでした。しかし、1986年1月28日に発生したチャレンジャー号爆発事故の影響を受け、ミッションは中止となりました。

ヴァンデンバーグ空軍基地からの初飛行

STS-62-Aが実現していれば、カリフォルニア州にあるヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げられる初の有人宇宙飛行となるはずでした。通常、スペースシャトルはフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられますが、極軌道への衛星投入には、ヴァンデンバーグ空軍基地からの打ち上げが適していました。

ミッションコードの意味

STS-62-Aというミッションコードには、以下のような意味があります。

6: 1986会計年度
2: ヴァンデンバーグ空軍基地（1はケネディ宇宙センター）
A: 当該年度における最初の飛行

計画されたクルー

1985年2月15日には、以下のクルーがSTS-62-Aに搭乗予定であることが発表されました。

ロバート・クリッペン（5）：コマンダー
ガイ・ガードナー（1）：パイロット
デイル・ガードナー（3）：ミッションスペシャリスト1
ジェリー・ロス（2）：ミッションスペシャリスト2、フライトエンジニア
マイク・マレーン（2）：ミッションスペシャリスト3
ブレット・ウォーターソン（1）：ペイロードスペシャリスト1
エドワード・オルドリッジ（1）：ペイロードスペシャリスト2

※（）内の数字は、今回を含めたフライト経験数を示します。

その後のクルーたち

チャレンジャー号の事故後、ガイ・ガードナー、ジェリー・ロス、リチャード・マレーンの3名は、1988年のSTS-27ミッションで再び宇宙へ飛び立ちました。これは、彼らにとって2度目のスペースシャトルミッションとなりました。

まとめ

STS-62-Aは、スペースシャトル計画における重要なミッションの一つでしたが、チャレンジャー号の事故によって幻となりました。しかし、このミッションのために準備された技術や経験は、その後の宇宙開発に活かされることとなりました。

参考文献

* STS-62-A mission patch draft designs

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