STS-99

STS-99：地球の地形を三次元で捉えたミッション

STS-99は、2000年2月にスペースシャトルエンデバーによって行われた、アメリカ航空宇宙局（NASA）のミッションです。このミッションの主要な目的は、地球全体の地形データを高精度で収集することでした。そのために、SRTM（Shuttle Radar Topography Mission）という特別な装置が使用されました。

ミッションの目的

STS-99の主な目的は以下の通りです。

SRTM (Shuttle Radar Topography Mission)：シャトルに搭載された合成開口レーダーを使用して、地球の表面を高精度に撮影し、立体的な地図を作成することを目指しました。
EarthKAM：中学生などの学生が、シャトルに搭載されたデジタルカメラを遠隔操作して地球を撮影する教育プログラムを実施し、地球環境への関心を高めることを目的としました。

搭乗員

STS-99には、7人の宇宙飛行士が搭乗しました。

ケビン・クレーゲル (4) - 船長
ドミニク・パドウィル・ゴーリー (2) - 操縦手
ジャネット・L・カヴァンディ (2) - ミッション・スペシャリスト
ジャニス・E・ヴォス (5) - ミッション・スペシャリスト
毛利衛 (2) - ミッション・スペシャリスト - 日本
ゲルハルト・ティエル (1) - ミッション・スペシャリスト - ドイツ

ミッション・パラメータ

以下は、STS-99ミッションの主要なパラメータです。

質量:
打上時: 116,376 kg
着陸時: 102,363 kg
ペイロード: 13,154 kg
軌道:
近地点: 224 km
遠地点: 242 km
軌道傾斜角: 57°
* 周期: 89.2 分

SRTM (Shuttle Radar Topography Mission)

SRTMは、スペースシャトルに搭載されたレーダーシステムを使用して、地球の地形データを収集するプロジェクトです。このミッションでは、CバンドとXバンドの2種類のレーダーを使用し、地球表面の約80%をカバーするデータ収集に成功しました。SRTMによって作成された地形データは、地図作成、災害対策、環境研究など、さまざまな分野で活用されています。

EarthKAM

EarthKAMは、世界中の中学生が参加できる教育プログラムです。生徒たちは、スペースシャトルに搭載されたデジタルカメラを遠隔操作し、自分たちが興味を持つ場所の写真を撮影することができます。撮影された写真は、EarthKAMのウェブサイトで公開され、教育や研究に利用されます。

まとめ

STS-99は、地球の地形データを高精度で収集し、中学生向けの教育プログラムを実施するなど、科学と教育の両面で大きな成果を上げたミッションです。SRTMによって作成された地形データは、その後の様々な分野の研究や応用に貢献し、EarthKAMは多くの学生に地球環境への関心を抱かせるきっかけとなりました。

もう一度検索