Shuttle Radar Topography Mission

シャトルレーダ地形観測ミッション（SRTM）とは

シャトルレーダ地形観測ミッション（SRTM）は、スペースシャトルに搭載されたレーダを使用して、地球の詳細な数値標高モデルを作成することを目的としたミッションです。このプロジェクトは、地球の地形を前例のない精度で把握することを可能にし、科学研究、資源管理、災害対策など、多岐にわたる分野に貢献しています。

ミッションの概要

SRTMは、2000年にエンデバー宇宙往還船で行われたSTS-99ミッションで実施されました。このミッションには、日本の宇宙飛行士である毛利衛も参加しています。スペースシャトルのペイロードベイには、CバンドとXバンドの干渉合成開口レーダーが搭載され、地球の緯度60度以内の陸地の約80%の標高データを取得しました。このレーダーシステムは、メインアンテナと、長さ60メートルのマストに取り付けられた外部アンテナで構成され、地球表面に向けて電波を送信し、その反射波を受信することで地形の高さを測定しました。

公開されているデータ

SRTMによって取得されたデータは、様々な解像度で公開されています。Cバンドの標高データは無償でダウンロードでき、3秒角（約90m）メッシュのSRTM-3、30秒角（約900m）メッシュのSRTM-30、そして米国国内の1秒角（約30m）メッシュのSRTM-1があります。これらのデータは、GISソフトウェアやその他の地理空間分析ツールで使用することができます。

2014年9月、アメリカ合衆国政府は、SRTMで得られた高解像度の地形標高データを世界中で公開することを発表しました。これにより、これまで米国国内でのみ公開されていたオリジナルデータの解像度30mのデータが、世界中の研究者や一般の人々が利用できるようになりました。これは、地球科学研究の進展を加速し、より良い資源管理や災害対策に貢献することが期待されています。

コーナーキューブ実験

観測期間中には、各地でコーナーキューブを用いた実験も行われました。コーナーキューブは、電波を反射させるための装置で、これを用いて地形図に文字を書き込むという試みが行われました。この実験は、SRTMのレーダーシステムの精度と能力を示すものであり、地球観測技術の可能性を広げるものでした。

SRTMデータの利用

SRTMデータは、様々な分野で利用されています。例えば、地形図の作成、水文モデルの作成、森林管理、地すべりなどの災害リスク評価、都市計画、航空機の航行支援など、多岐にわたります。また、SRTMデータは、地球温暖化の影響を評価するための基礎データとしても活用されています。

SRTMは、地球観測の歴史における重要なマイルストーンであり、そのデータは今後も様々な分野で活用され続けるでしょう。

外部リンク

Shuttle Radar Topography Mission ジェット推進研究所内の公式サイト: FTPで標高データを入手可能
STS-99 毛利宇宙飛行士、再び宇宙へ JAXA内の説明
* カシミール３Ｄ: 標高データを読み込み、ランドサット衛星画像と合成表示できる

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