SWR計

SWR計（エスダブリューアールけい）

SWR計は無線通信において、給電線や伝送路の定在波比（Standing Wave Ratio）を計測するための重要な測定器です。この計測器は、無線設備全体の効率を向上させるために必須の役割を持っています。

SWR計の基本的な役割

無線送信設備は、通常、送信機、給電線（伝送線路）、そしてアンテナを東部に持つ構成です。この際、効率的に電波を放出するためには、送信機、給電線、アンテナそれぞれのインピーダンスが一致している必要があります。これを達成することで、送信機からの電圧波と電流波が一致し、高周波エネルギーが最大限にアンテナから輻射されます。

しかし、現実にはアンテナのインピーダンスが理想的な値に達しないことが少なくありません。この場合、給電線とアンテナの接続部分、すなわち給電点において高周波エネルギーが反射され、アンテナから送信機へ戻る電圧波や電流波が生じます。これを反射波と呼びます。進行波と反射波の同時存在により、給電線上に定在波が形成され、電力の一部がアンテナで反射され、送信機に戻ってしまうため、送信効率が低下します。また、反射波によって送信機の部品が損傷したり劣化したりする可能性があります。

このように、SWR計は送信装置のパフォーマンスを最大限に保つため、また機器が故障しないようにするために重要な役割を果たします。

SWR計の構成

SWR計は、通過型高周波電力計としても知られ、特定の回路構成を持っています。基本的には、給電線の中間に接続して使用します。接続の方法としては、左側に送信機への給電線、右側にアンテナへの給電線を取り付けます。正確な測定を行うためには、できるだけアンテナに近い位置での接続が推奨されます。

SWR計内には中心導体があり、その上下には平行に走る線路が存在しています。この上下の線路は「ピックアップ線」と呼ばれ、中心導体とCM結合をしている。この状態で、ピックアップ線に取り付けた抵抗器をグラウンドに接続することで、誘起される電圧が方向性を持ちます。送信機からの高周波信号が入ると、ピックアップ線の上部は進行波に対し、下部は反射波に対して起電力を生成します。

FWD端子とGND端子間で電圧計を接続すると、進行電力が測定され、REV端子とGND端子との間では反射電力が測定可能です。ここで得られた進行電圧と反射電圧の値から、定在波比を計算することができます。実際のSWR計には、これらの計算をユーザーが行う必要がないよう、メーターにSWRの値が表示される目盛りが設けられています。

まとめ

SWR計は、高周波通信システムにおける重要な機器であり、デバイスの性能向上と安全性を確保するための不可欠なツールです。送信機やアンテナとともに、無線通信の成功に大きく寄与しています。

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