Same Side

Same Side：WANDSの10thシングル

1993年、WANDSからリリースされた10枚目のシングル「Same Side」は、前作から約10ヶ月ぶりのリリースとなりました。このシングルは、2ndシングル「ふりむいて抱きしめて」以来となる、メンバー自身による作詞、作曲、編曲という、WANDSの真骨頂ともいえる作品です。

曲作りのエピソード

作曲にあたっては、ボーカルの上杉昇さんがまず鼻歌でメロディーを思いつき、ギターを爪弾きながらサビの部分を熱唱。しかし、コード進行に苦戦し、メンバーの柴崎浩さんに相談を持ちかけたそうです。そして、電話越しでの共同作業を経て、楽曲が完成したというエピソードが残っています。まさに、二人の息の合ったコンビネーションが作り上げた名曲と言えるでしょう。

ミュージックビデオ

「Same Side」のプロモーションビデオの撮影風景は、WANDSのビデオクリップ集『BEST OF [[WANDS VIDEO HISTORY]]』に収録されています。

楽曲解説

Same Side

テレビ朝日系『NBA FAST BREAK』のエンディングテーマとして使用された「Same Side」は、当初はアルバム収録を目的として制作されました。英語詞を付ける予定だったものの、最終的には日本語詞でリリースされています。

楽曲の大部分は上杉さんが作詞作曲を担当し、レコーディング後にアレンジが加えられました。特に、間奏前と最後の「♪Same Side」の部分は柴崎さんが加えたもので、これについて上杉さんは「勝手に付け加えられてムッとした(笑)」と語っており、制作過程での二人のやり取りが伺えます。

2006年には上杉さんがこの曲をセルフカバー。その際に「この曲が今の自分の音楽の原点となった」とコメントしており、上杉さんにとって非常に重要な楽曲であることがわかります。

Sleeping Fish

カップリング曲の「Sleeping Fish」は、柴崎さんが「Same Side」制作中に思いついたメロディーが元になっています。ラジカセに録音した即興の鼻歌が、そのまま楽曲の原型になったという、独特の制作方法が用いられています。

そのデモテープを聴いた上杉さんは、その魅力的なメロディーを生かしたいと考え、ラジカセ録音の音源をイントロに使用。ベースは柴崎さんが演奏しています。上杉さんはこのデモを聴いた時、自分が目指していたメロディーだったことに喜びを感じつつも、同時に悔しさも覚えたと語っています。

WANDS脱退後、上杉さんはソロライブなどでこの曲を頻繁に歌唱しており、彼の音楽人生において重要な楽曲の一つと言えるでしょう。

収録アルバム

「Same Side」は数々のWANDSのベストアルバムに収録されています。

WANDS BEST 〜HISTORICAL BEST ALBUM〜
BEST OF [[WANDS HISTORY]]
complete of WANDS at the BEING studio
BEST OF BEST 1000 WANDS
WANDS BEST HITS

参加ミュージシャン

ベース：明石昌夫
ドラム：デニー・フォンハイザー、青山純
パーカッション：沓野行秀
シンセサイザー：小野塚晃
マニピュレーター：古井弘人

まとめ

「Same Side」は、WANDSのメンバーの個性が際立ち、制作過程におけるエピソードも興味深い、聴き応えのある楽曲です。様々なベストアルバムに収録されていることからも、WANDSを代表する一曲として、長く愛され続けていることがわかります。カップリング曲「Sleeping Fish」もまた、WANDS独特のサウンドと魅力が凝縮された、名曲と言えるでしょう。

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