SheevaPlug

SheevaPlug（シーバプラグ）とは

SheevaPlugは、マーベル社が開発したARMプロセッサを搭載したプラグコンピュータです。その最大の特徴は、非常に小型でありながら、本格的なサーバとしての機能を持つ点です。コンセントに直接挿し込むだけで起動し、手軽に利用できることから、組み込み開発者やLinux愛好家の間で人気を博しました。

主な特徴

プロセッサ: 1.2GHzのARMプロセッサを搭載。
OS: Ubuntu 9.04が初期インストール済み。内蔵フラッシュメモリに保存されています。
ネットワーク: ギガビットイーサネットに対応。
手軽さ: コンセントに挿すだけで起動し、小型サーバとして活用可能。

開発・学習用キットとしての側面

SheevaPlugは、マーベル社のARM評価ボードとしての側面も持ち合わせています。そのため、組み込みLinuxの学習用キットとしても活用されており、プログラミングやシステム開発の教育現場でも利用されています。

対応OS

SheevaPlugは、初期OSであるUbuntu以外にも、様々なOSが動作します。

Debian
Fedora
Arch Linux
FreeBSD 8.0R および 9.0R
OpenWRT (backfire)

これらのOSをインストールすることで、より多様な用途に対応させることが可能です。

バリエーション

SheevaPlugには、いくつかのバリエーションが存在します。

SheevaPlug+: eSATA端子が追加されたバージョン。外部ストレージとの連携が容易になりました。
玄柴 (KURO-SHEEVA): 玄人志向から発売されたモデル。SheevaPlug+同様にeSATA端子が追加されています。
基板改造: SheevaPlugの基板（Revision 1.3以降）にはeSATA用のパターンが用意されており、半田付けによってSheevaPlug+相当の機能を追加することが可能です。ただし、メーカー保証外の行為となります。

SheevaPlugをベースにした製品

SheevaPlugの技術をベースにした製品も存在します。

CloudPlug (CTERA): NASアダプタとして、ネットワークドライブ内のファイルをオンラインストレージに自動バックアップする機能を提供。
Pogoplug (Cloud Engines): NASアダプタで、オンラインストレージとしてファイルを公開するサーバ利用権とセットで販売。
Seagate FreeAgent DockStar: Pogoplugの互換機として知られるNASアダプタ。

次世代ハードウェア

SheevaPlugの後継となる製品群も登場しています。

GuruPlug
Nimbus Plug Computer
GuruPlugDisplay
DreamPlug
D2 Plug

これらの製品は、SheevaPlugのコンセプトを受け継ぎつつ、より高度な機能や性能を備えています。

日本国内での利用における注意点

SheevaPlugを日本国内で利用する際には、電気用品安全法（PSE法）に注意が必要です。電気用品安全法では、輸入される電気用品に対してPSEマークの取得が義務付けられています。

SheevaPlug本体を直接コンセントに挿すアダプタ部分については、PSEマークを取得している輸入業者が存在しないため、日本国内で販売されているメガネケーブルを利用して接続する必要があります。

なお、本体は情報機器に該当するため、電気用品安全法の対象外です。

この問題は、SheevaPlugだけでなく、他のすべてのプラグコンピュータにも共通する問題です。

脚注

SheevaPlugは、その小型さ、手軽さ、拡張性の高さから、様々な分野で活用されています。特に組み込み開発やLinux学習の分野では、多くのエンジニアや学生にとって貴重なツールとなっています。

外部リンク

Globalscale社　（製造・販売元）
マーベル社　（ARMプロセッサ製造元）
* plugcomputer.org　（開発コミュニティー）

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