SoftBank 821N

SoftBank 821N：女性向けデザインのNEC製携帯電話

2008年7月4日にソフトバンクモバイルから発売されたSoftBank 821Nは、日本電気（NEC）が製造した第三世代携帯電話（SoftBank 3G）です。NECがソフトバンク向けに製造した端末としては、706N以来1年4ヶ月ぶり、820Nの姉妹機という位置づけになります。820Nが男性向けのデザインだったのに対し、821Nは女性をターゲットにした、ポップで可愛らしいデザインが大きな特徴です。

デザインと機能

背面デザインは、同時期にNTTドコモから発売されたN706iと類似しており、ポップな色使いが目を引きます。820Nと比較すると、若干厚みがあり重量も増していますが、その分、女性ユーザーにとって持ちやすいデザインに仕上がっていると言えるでしょう。

機能面では、ワンセグ視聴に対応している点が大きなポイントです。ソフトバンクモバイルのN端末では初搭載となります。また、NTTドコモのN905i以降のNEC製端末と同様に、画像やメールを時系列で表示する「ライフヒストリービューア」を搭載しており、直感的な操作性を提供しています。ただし、N706iが対応しているGSMローミング、Felica、IrSimpleには非対応である点には注意が必要です。

GLAMOROUSコラボモデル「821N GLA」

2008年9月6日には、女性向けファッション雑誌「GLAMOROUS」とのコラボレーションモデルである「821N GLA」が発売されました。821N GLAは、本体カラーに加え、「GLAMOROUS」をテーマにした壁紙やメニュー画面が搭載されている点が大きな違いです。さらに、オリジナルパッケージとストラップが付属しており、コレクターズアイテムとしても人気を集めました。

820Nとの比較

姉妹機であるSoftBank 820Nは、男性ユーザーをターゲットにしたシックなデザインが特徴です。背面デザインは、ドコモのN705iμを彷彿とさせる落ち着いた印象を与えます。821Nと比較すると、薄型軽量で、ビジネスシーンにも適したデザインとなっています。機能面では、821Nとほぼ同じ機能を搭載していますが、デザイン性の違いから、ユーザー層が明確に分かれていました。

まとめ

SoftBank 821Nは、ポップなデザインと充実した機能を両立させた、女性ユーザーに人気のあった携帯電話です。「GLAMOROUS」コラボモデルの発売も相まって、当時の携帯電話市場において一定の地位を確立しました。一方で、FelicaやIrSimpleといった機能が搭載されていない点は、当時の携帯電話と比較すると、やや物足りなさを感じるかもしれません。しかし、そのデザイン性と使いやすさは、今でも多くのユーザーから高く評価されています。この端末は、2000年代後半の携帯電話デザインと機能のトレンドを知る上で、貴重な資料と言えるでしょう。

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