Su-2 (航空機)

スホーイ Su-2について

スホーイ Su-2は、ソビエト連邦が第二次世界大戦初期に開発した偵察機および軽爆撃機です。この機体は、パーヴェル・スホーイが設計を担当した初めての航空機であり、様々な派生型も登場しました。

開発の背景

Su-2の開発は1936年に始まりました。当時のソ連の指導者ヨシフ・スターリンが多目的実戦機の必要性を唱え、これが「イワノフ」というコードネームの機体へとつながります。この機体は、偵察任務を遂行しつつ、必要に応じて地上目標を攻撃できる能力を持つことが期待されていました。設計は、当時ツポレフ設計局で働いていたパーヴェル・スホーイが担当し、彼の指導の下、1937年8月25日に初飛行を果たします。

最初の試作機ANT-51は、シュベツォフM-62エンジンを搭載し、高度4,700メートルで403キロメートル毎時の速度を記録しましたが、性能に不満が残りました。その後、高出力のツマンスキーM-87エンジンに換装され、大きな性能向上を実現しました。1940年には正式にSu-2と改称され、その後信頼性の低いM-87エンジンは、更に改良されたM-88に交換されました。これにより、軽量化された機体は試験中に512キロメートル毎時を記録しました。

機体の構造

Su-2は、木製の桁と合板外皮からなるセミモノコック構造の胴体を持ち、主翼はジュラルミンおよび鋼製の混合構造で製造されています。操縦士と銃手は9mmの装甲板で保護されており、安全性が考慮されています。さらに、尾輪式の降着装置は、格納式となっており、運用の効率も高めています。

運用の歴史

Su-2は、1942年までに910機が生産され、しかし大祖国戦争が始まる頃には性能が時代遅れとなり、ドイツ軍に対して多くの損耗を出してしまいます。その後、この機体は第一線から退き、イリューシンIl-2やペトリャコーフPe-2、ツポレフTu-2といった新しい爆撃機に置き換えられました。ただし、Su-2は訓練や偵察任務に再利用され、時には緊急の戦闘機としても用いられました。

派生型

Su-2にはいくつかの派生型が存在しています。まず、複座の軽爆撃機および偵察機として運用された元々の名称BB-1があり、後のShB（攻撃爆撃機）やSu-4としても知られています。特にShBは、主翼内に主脚を引き込む新しいデザインを採用し、爆弾搭載量を600kgに増加させましたが、量産には至りませんでした。

一方、Su-4は大出力のエンジンを装備する改良型でしたが、最終的に量産化されることはありませんでした。

まとめ

スホーイ Su-2は、第二次世界大戦初期におけるソビエトの航空戦力の一部を担った重要な機体ですが、その運用期間は短く、次第に新しい機体に取って代わられることとなります。ただし、その設計や試行錯誤は、後の航空機開発にとって貴重な経験となりました。

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