Su-8 (航空機)

Su-8（Sukhoi Su-8）の概要

Su-8は、ロシア語で「双発複座装甲地上攻撃機」を意味するDDBShとも称され、第二次世界大戦中のソビエト連邦が開発した試作機です。この機体は、軽量なSu-6攻撃機と並行して、より大型で重装備な航空機として設計されました。

開発の背景

1942年5月、ソ連の軍幹部が航空支援の必要性を認識したことがSu-8の開発の契機となりました。地上部隊が前線から遠く離れた地点での攻撃に対応できる航空機として、また敵の通信線への攻撃が可能な機体の必要性が高まっていました。この課題に対処するため、スホーイ設計局は素早く設計作業に取り掛かり、1942年8月には機体の構造設計に入ります。図面は同年9月までに完成しましたが、ドイツの侵攻や設計局の疎開により進捗が遅れました。

1943年にはモロトフの第19工場で2機の試作機が製造され、1号機は5月に、2号機は8月に完成しました。そして1944年5月11日に初飛行が行われました。その後、飛行試験が進められましたが、シュベツォフ M-71エンジンの信頼性の問題により、試験は遅延しました。

性能と特徴

Su-8は、機体の構造に木金複合材を使用し、強度と軽量化を図っています。コックピット周辺には装甲が施され、胴体はアルミニウム製で、尾部は木製のモノコック構造となっています。主翼には鋼鉄とアルミニウムが用いられ、外板は合板で構成されていました。方向舵は全金属製で構成され、エンジンや燃料タンク、およびオイルクーラーも完全に装甲されていました。この装甲の総重量は1,680 kgで、同時期のIl-2の装甲重量の2倍に相当します。

主要性能

• - 乗員: 2名
• - 全長: 13.5 m
• - 全幅: 20.5 m
• - 全高: 5.11 m
• - 翼面積: 60 m²
• - 空虚重量: 9,180 kg
• - 全備重量: 12,425 kg
• - 最大離陸重量: 13,380 kg
• - エンジン: 2 × シュベツォフ M-71 星型エンジン (1,640 kW)
• - 最大速度: 550 km/h (高度 4,600 m)
• - 航続距離: 1,450 km
• - 実用上限高度: 9,000 m
• - 上昇率: 5,000 mまで9分

武装

• - 主武装: 4 × 37mmまたは4 × 45mm機関砲 (胴体下面)
• - 副武装: 9 × 7.62mm ShKAS機関銃 (各片翼に4丁、下部銃塔に1丁)
• - 追加武装: 1 × 12.7mm UBT機関銃 (上部砲塔)
• - 爆弾搭載量: 1,400 kg

量産とその後

試験は一定の成功を収めましたが、量産計画は最終的には実現しませんでした。1944年にはソ連赤軍がドイツ国境に達しており、既存のIl-2の運用が進んでいたため、Su-8の新たな導入は困難となったのです。エンジンをミクーリン AM-42に換装する計画もありましたが、この機体のさらなる発展は望まれませんでした。

参考文献

• - Shavrov V.B. (1994). Istoriia konstruktskii samoletov v SSSR, 1938-1950 gg.
• - Antonov, Vladimir & Gordon, Yefim & others. OKB Sukhoi.

外部リンク

• - Sukhoi Su-8 - Su-8に関する詳細を掲載しているスホーイ社の公式サイト

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