Synchronized Multimedia Integration Language

SMIL（Synchronized Multimedia Integration Language）とは

Synchronized Multimedia Integration Language（SMIL、スマイル）は、ウェブ上でマルチメディアコンテンツを表現するためのマークアップ言語です。この言語は、静止画、動画、音声、文字（テキスト）といった多様なメディア要素を、時間軸とレイアウトに基づいて統合し、同期再生することを可能にします。SMILは、XML（Extensible Markup Language）をベースにしており、その記述形式はXMLに準拠しています。

SMILの主な特徴

• - マルチメディア統合: 静止画、動画、音声、テキストなど、異なる種類のメディアを組み合わせ、一つのコンテンツとして表現できます。
• - 時間軸制御: 各メディア要素の再生開始時間や再生時間を細かく制御し、同期したマルチメディア体験を実現します。
• - レイアウト制御: 各メディア要素の位置や表示サイズなどを指定し、視覚的に魅力的なコンテンツを作成できます。
• - XMLベース: XML形式で記述するため、構造化されたデータとして扱いやすく、他のXML技術との連携も容易です。

SMILの歴史

SMILは、World Wide Web Consortium (W3C) によって勧告された仕様の一つです。1997年に登場し、1998年6月にはSMIL 1.0として正式に勧告されました。その後、SMIL2.1を経て、2008年12月1日には最新バージョンであるSMIL 3.0が勧告されました。この間、SMILはウェブにおけるマルチメディア表現の標準技術として、進化を続けています。

SMILの記法

SMILはXML形式に準拠しており、要素と属性を用いてメディアコンテンツの構造を記述します。以下に、異なるフォーマットの動画ファイルを縦に並べて同時に再生する簡単な例を示します。

xml














この例では、`layout`要素で二つの動画を表示する領域を定義し、`par`要素で二つの動画を同時に再生するように指定しています。

SMIL対応のソフトウェア・ハードウェア

SMILは、多様なプラットフォームでサポートされています。代表的なものとして、以下のソフトウェアやハードウェアがあります。

• - GRiNS Player: SMILコンテンツを再生するための専用プレイヤーです。
• - SOJA (Javaアプレット): ウェブブラウザ上で動作するJavaアプレットで、SMILコンテンツを再生できます。
• - X-Smiles browser (XMLブラウザ): SMILを含むXMLドキュメントを解釈・表示できるブラウザです。
• - RealPlayer: マルチメディアプレイヤーとして広く知られており、SMILコンテンツの再生に対応しています。
• - au CDMA 1X WIN携帯電話端末: 一部のau携帯電話端末で、SMIL技術が利用されています。

SMIL対応のオーサリングソフト

SMILコンテンツを作成するためのオーサリングソフトも多数存在します。以下はその一部です。

• - SMIL Scenario Creator (KDDI研究所): KDDI研究所が開発したSMILオーサリングソフトです。
• - SMIL Editor (ドコモ・システムズ): ドコモ・システムズが提供するSMILエディターです。
• - SmilSmil: 様々なSMIL機能を備えたオーサリングツールです。
• - RealSlideshow: 静止画をベースにしたスライドショー形式のSMILコンテンツを作成できます。
• - Fluition: 高度なSMILコンテンツを制作するためのプロフェッショナルなツールです。
• - GRiNS Editor: GRiNS Playerの開発元が提供するオーサリングツールです。
• - SMIL Composer: ユーザーフレンドリーなインターフェースを持つオーサリングツールです。

日本での応用事例

日本では、auの携帯電話サービス「EZチャンネル」でSMIL技術が活用されています。EZチャンネルでは、大容量の番組配信サービスを実現しており、通話や電子メールなど、端末が持つ機能との連携や、配信コンテンツの著作権保護に関する独自拡張も行われています。

外部リンク

• - W3CによるSMIL勧告
• - SMIL 1.0. 仕様書の和訳
• - SMIL Scenario Creator

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