System x

IBM System x の概要

IBM System xは、IBMが2006年から2014年まで販売していたx86サーバーのシリーズです。このシリーズは、それ以前のPC Server、NetFinity、eServer xSeriesの後継として登場しました。2014年にIBMからレノボ社への事業移管が行われたため、現在はレノボから販売されています。

名称とブランド

正式名称は「IBM System x」です。これはIBMのサーバー全体のブランド名である「IBM Systems」を構成するシリーズの一つで、System z、System i、System p、System x、System Storageというラインナップの中に位置づけられます。System xは、その中でもx86サーバーのシリーズを担当しています。

歴史

IBMのx86サーバーの歴史は、1981年のIBM PCの登場にまで遡ります。当初はデスクトップPCとサーバーPCの区別がなく、IBM PC事業部が担当していました。しかし、1996年のIBM PC Serverシリーズの登場により、サーバー製品は独立したブランドとして位置づけられ、開発部門もサーバー事業部の一部となりました。

その後、1999年にはNetFinityシリーズに名称変更され、2001年にはIBM eServer xSeriesとして再編されました。そして、2005年のサーバーブランド名称変更（IBM Systems）に伴い、IBM System xという名称になりました。

製品アーキテクチャとしては、PC/AT互換機|PC_AT互換機の一種ですが、2001年のeServer以降はメインフレームなどの上位サーバー製品の技術が段階的に適用されています。2002年には、買収したシークエント・コンピュータのNUMA技術を使用した大規模SMPサーバー「x Series 400」が追加され、2012年にはPlatform Computing社の技術を使用したスーパーコンピュータ領域向けの「System x iDataPlex」が登場しました。

2005年のレノボへのPC事業売却は、パーソナルコンピュータ事業（ThinkCentre、ThinkPad）のみが対象で、System xを含むサーバー事業は対象外でした。しかし、2014年にはSystem xのサーバー事業もレノボに売却されました。

製品詳細

CPU

System xシリーズは、x86マイクロプロセッサを搭載しており、主にIntel Xeonが採用されています。前身のx Seriesでは、CPUはインテル製のみに限定されていましたが、System xからはAMD製など、他のメーカーのCPUを搭載したモデルも登場しました。

OS

正式にサポートされているOSは、モデルによって異なりますが、Windows、Linux、VMware、Solarisなどが挙げられます。

X-Architecture

x Series以降、基幹システムサーバーに求められる設計思想をX-Architectureと呼んでいます。これはテクノロジーやツールの総称であり、以下の5世代が存在します。

第1世代 (2001年) - X-Architecture (Xtended Design Architecture, XDA)
最大16CPUまで拡張可能
第2世代 (2003年) - X-Architecture II (XDA II)
第3世代 (2005年) - X-Architecture (X3)
ホットスワップメモリを搭載
第4世代 (2007年) - Enterprise X-Architecture (eX4)
第5世代 (2010年) - Enterprise X-Architecture (eX5)
大容量メモリのMAX5、SSDパッケージのeXFlash、複数ノード構成のFlexNodeに対応

さらに、以下のテクノロジーやツールも含まれています。

メモリー保護技術: Active Memory
冷却技術: Calibrated Vectored Cooling
システム管理ソフトウェア: IBM Systems Director
リモート管理: RSAアダプター

関連情報

関連項目: ラックマウント型サーバー, IBM Systems Director
外部リンク:
IBM System x 関連オプション (50GB SSD) の発表
IBM・全製品リスト（エンタープライズ・サーバー）
第4世代IBM X-Architecture (eX4)
IBM マーケットプレイス
* IBM ソフトウェア

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