System i

IBMビジネスサーバー：AS/400、iSeries、System i の詳細解説



IBMが提供するビジネスアプリケーション向けサーバーとして、AS/400、iSeries、System iがあります。これらは、世界的にはミッドレンジコンピュータ、日本ではオフィスコンピュータとして分類されることが多いです。

名称の変遷



- 「AS」はApplication Systemの略称です。この時期のオペレーティングシステムはOS/400と呼ばれていました。
- 同時期のIBM製品には、PS/2、RS/6000、ES/9000などがありました。
- 「i」はIntegration（統合）を意味します。
- 当時、xSeries、pSeries、zSeriesといった製品群が存在しました。
- iSeriesと同様に、「i」はIntegration（統合）を意味します。
- System x、System p、System zが同時期の製品です。
- ハードウェアはPOWERプロセッサを搭載し、オペレーティングシステムの「i」はIntegration（統合）を意味します。同時期にはIBM zがありました。

歴史



- System/38|System_38データベースマシンとSystem/36を統合し、最初のAS/400がリリースされました。
- オブジェクトベースシステムであり、エドガー・F・コッドの関係データベースモデルに基づいたDB2関係データベースがシステムの中核に組み込まれていました。
- リリース時には2,500本以上のビジネスアプリケーションソフトウェアが用意されていました。
- 当時のCPUは独自のCISCプロセッサで、System/370に似た命令セットでした。後にPOWERプロセッサに移行しています。
- 64ビットプロセッサRS64をサポートし、OS/400も64ビット化されました。
  • - 2000年：eServer iSeriesへ改称
  • - 2004年：System i5サーバー登場
- POWER5プロセッサを採用したSystem i5サーバーが登場しました。
- 後継のハードウェアPower Systemsが発表され、ほぼ同時期にOSもIBM iという名称で新バージョンがリリースされました。
  • - 2009年以降
- OSの新しいバージョンについてはIBM iのページ、ハードウェアについてはPower Systemsのページを参照してください。

特徴



  • - TIMI（Technology Independent Machine Interface）
- System/38|System_38から継承された、テクノロジーに依存しないマシンインターフェース技術です。
- 水平マイクロコードにより実装され、プロセッサの命令セットなどハードウェアの実装を変更しても、OSを含むソフトウェアをそのまま動作させることができます。
- 仮想機械に似ていますが、TIMIはコンパイル時に実プロセッサに対応した機械語も生成するという点で異なります。
- このため、実プロセッサが変わっても、実行ファイルがあれば中間コードから機械語を再生成することで、ハードウェアを自由に交換できる優れた可搬性を実現しています。
- TIMIの命令セットのポインタは128ビットで、ハードウェアの進化に柔軟に対応でき、既存のソフトウェアの修正は不要です。
  • - 単一レベル記憶 (SLS, single-level store)
- メインメモリとディスク装置を単一の巨大なアドレス空間として管理します。
- これにより、ソフトウェア実行時にディスク上のモジュールをメインメモリにロードする手間が省け、高速な入出力が可能です。
  • - セキュリティ
- 汎用コンピュータシステムとして初めてアメリカ国家安全保障局（NSA）からC2レベルのセキュリティ認証を受けました。
  • - 論理区画（LPAR）
- メインフレームから導入された技術で、一つのマシンを論理的に複数に分割して使用できます。
- 各パーティションにはシステムリソース（メモリ、ディスク容量、CPU時間）が割り当てられ、それぞれにOSが動作します。
- 動作可能なOSには、i5/OS (IBM i)、Linux、AIXなどがあります。

関連製品




参考文献



  • - フランク・ソルティス (著) 、[日本アイ・ビー・エム] AS/400製品事業部 (翻訳/監修) 、『Inside the AS/400 : featuring the AS/400e series ** 日本語版 第2版』、インフォ・クリエイツ、1998年、ISBN 4-900741-88-4

外部リンク



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