System3 (アリスソフト)

System3とは

System3は、アダルトゲーム開発会社であるアリスソフトが開発したゲームエンジンです。主に同社が開発するゲームタイトルに利用されてきました。System3は、大きく分けてMS-DOSやWindows 3.1向けに開発されたSystem3と、Windows 95以降に対応したSystem3.5以降のバージョンが存在し、これらには互換性がありません。

現在では、特に断りがない限り「System3.x」と表記される場合、System3.5以降のバージョンを指すことがほとんどです。

System3

System3は、System1およびSystem2の後継として開発され、PC-9800シリーズ、X68000、FM-TOWNS、Windows 3.1といったプラットフォームに対応していました。

1994年4月リリースの『AmbivalenZ -二律背反-』から採用されましたが、1996年12月リリースの『鬼畜王ランス』以降の作品はSystem3.5に移行しました。System3を採用した作品をWindows 95に対応させる際、データはSystem3からSystem3.xへとアップグレードされました。

また、System3.5と同様に、ユーザーの手によって他のプラットフォームへの移植版も存在します。

System3.5

成立の経緯

アリスソフトは当初、『鬼畜王ランス』をSystem4という新しいゲームエンジンで開発する予定でした。しかし、System4の開発が遅れたため、急遽System3を拡張してゲームを制作することになりました。

開発が進むにつれて、System3を全面的に作り替えることとなり、当初System3.1と呼ばれていた名称も、System3とSystem4の中間を意味するSystem3.5に変更されました。

互換性

System3.5には、互換性のあるバージョンとしてSystem3.6、System3.8、System3.9が存在します。ただし、各バージョンの中でも細かなアップデートが繰り返されています。System3.7も開発されましたが、実際には使用されることなくお蔵入りとなりました。

System3.5を対象に作られたゲームは、必ずしもではありませんがSystem3.6～System3.9でも動作することが多く、System3.9を対象に作られたゲームがそれ以前のバージョンで動作することもあります。

他環境への移植

System3.5はWindows上で動作するゲームエンジンであり、アリスソフトはWindows以外の環境での動作を公式にはサポートしていません。しかし、アリスソフトがSystem3.5の仕様をユーザーに公開したため、LinuxやBeOSなど、ユーザーの手によってSystem3.5が移植された事例が存在します。

System3.5を一度移植すれば、System3.5～System3.9に対応した複数のゲームをプレイできる可能性があるため、Windowsユーザー以外にもアリスソフトのゲームをプレイする機会を提供することになりました。

System3.x 開発キット

アリスソフトの製品（廉価版を除く）に同梱されていた『アリスCD』という特典ディスクには、『Sys3x開発キット』という名称でSDK（ソフトウェア開発キット）が収録されていました。これにより、誰でも自由にゲームを開発・配布することが可能でした。

この『アリスCD』は単体での配布は行われず、『Only you -リ・クルス-』に収録された『アリスCD Ver2.5』を最後に同梱が終了したため、現在では入手困難となっています。

この開発環境を公開するという方針は、後継のSystem4にも引き継がれました。

外部リンク

アリスソフト - System3.xのページ
system3-sdl2 (System3互換エンジン)
* xsystem35-sdl2 (System3.x互換エンジン)

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