System/34

System/34は、1977年にIBMがリリースしたミッドレンジコンピュータで、主に中小規模の企業や部門での事務処理を目的として設計されました。当時のアメリカではミニコンピュータ、日本ではオフィスコンピュータとして分類されることが多かったようです。IBMは当初「小型」と表現していましたが、現在ではPCサーバーの普及に伴い、「中型」と呼んでいます。

System/34は、前モデルのSystem/32がシングルユーザーシステムであったのに対し、マルチユーザー、マルチタスクをサポートし、複数のユーザーが同時に作業できる能力を備えていました。[オペレーティングシステム]であるSSP（System Support Program）はSystem/34と共に登場し、このシステムの中核を成していました。内部文字コードにはEBCDICが採用され、プログラミング言語としては、IBMの簡易言語であるRPG IIの他、COBOL、BASIC、FORTRAN、アセンブリ言語といった幅広い言語が利用可能でした。

1979年には、日本IBMがSystem/34に漢字処理機能を付加した「漢字システム/34」を発表しました。これにより、最大16台までの5255漢字表示装置または5225漢字印刷装置を接続できるようになり、EBCDIC（英数カナ）128字種、IBM漢字システム文字セット7190字種、ユーザー選定文字4370字種を扱うことが可能になりました。漢字入力には、216個のデータキーと12個のシフトキーを持つ「漢字鍵盤機構」が用いられ、データキーとシフトキーの組み合わせで2568字種から文字を選択したり、漢字番号で直接入力する方式が採用されました。これらのハードウェアをサポートするため、システムサポートプログラム(SSP)のリリース6も合わせて発表されました。

System/34は、System/3およびSystem/32の後継機として位置づけられ、その後継機はSystem/36です。System/34は1985年に販売を終了しましたが、その技術とコンセプトは後のIBMのシステムに大きな影響を与えました。

歴史

1969年：System/3発表 (RPG II)
1975年：System/32発表 (RPG II)
1977年：System/34発表 (RPG II、SSP)
1983年：System/36発表 (RPG II、SSP)
1988年：AS/400発表 (RPG III、OS/400)
2000年：eServer iSeries と改称
* 2006年：System i と改称

System/34は、その開発から販売終了までの期間を通じて、多くの企業で利用され、その後のシステム開発の礎となる重要な役割を果たしました。

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