T.M.スティーヴンス
T.M.スティーヴンス（T. M. Stevens, 1951年7月28日 - 2024年3月10日）は、アメリカ合衆国ニューヨーク市ブロンクス区出身のミュージシャンであり、その多才さで知られています。ベーシストとしての卓越した技術に加え、歌手、作曲家、音楽プロデューサーとしても幅広く活躍し、自身の音楽を「ヘヴィメタル・ファンク」と称していました。
11歳の時、アポロシアターでジェームス・ブラウンの公演を観たことがきっかけで、音楽の道を志すことを決意しました。1970年代からニューヨーク・シティでミュージシャンとしての活動を開始し、初期にはギタリストの増尾好秋のアルバムに参加するなど、早くからその才能を発揮していました。
1978年には、マイルス・デイヴィスのセッションにラリー・コリエル、菊地雅章、アル・フォスターといった一流ミュージシャンと共に参加。このセッションは録音されたものの、公式にはリリースされず、後にブートレッグとして出回るという経緯を辿りました。1979年には、ナラダ・マイケル・ウォルデンのアルバム『スウィート・ダンス・ミュージック』に収録された「I Should Have Loved Ya」をウォルデンと共作し、これがヒットとなり、スティーヴンスの名を広く知らしめました。
スティーヴンスがボーカリストとして活動を始めたきっかけは、ジェームス・ブラウンの「Living in America」の録音に参加した際、ブラウンにコーラスでの参加を求められたことでした。元々ベーシストとして参加していたスティーヴンスは、この出来事を通じてボーカリストとしての新たな可能性を見出し、活動の幅を広げていくことになります。
スティーヴンスは、ギタリストのマイケル・バーンズ、ドラマーのゲイリー・サリバンと自身のバンド「ショッカ・ズールー」を結成し、2007年までに7枚のアルバムを発表しました。このバンドでは、彼の音楽的な多様性が存分に発揮され、ヘヴィメタルとファンクを融合させた独自のサウンドを追求しました。
スティーヴンスは、自身のバンド活動以外にも、スティーヴ・ヴァイ、ジョー・コッカー、シンディ・ローパー、リトル・スティーヴン、ティナ・ターナー、ダン・ハートマン、ビリー・ジョエルなど、様々なジャンルの著名ミュージシャンと共演しました。また、プリテンダーズのアルバム『ゲット・クロース』にも参加し、その作品はプラチナレコードに認定されています。さらに、ベーシストとしてだけでなく、プロデューサーやアレンジャーとしても手腕を発揮し、バーニー・ウォーレルやヴィニー・ムーアが参加したディープ・パープルのトリビュート・アルバムを制作するなど、多才な才能を示しました。
ツアー活動も精力的に行っており、自身のバンド「ショッカ・ズールー」でのツアーの合間にも、様々なミュージシャンとツアーを共にしていました。2004年にはジャン＝ポール・ブレリーと、プリンスのバンドで知られるジョン・ブラックウェルとのツアー、2005年にはニール・ザザとのアジアツアー、そしてショッカ・ズールーとしてのヨーロッパツアー、さらにカール・パーマー、アンドレア・ブレイドとのイタリア、ロシアツアーを行うなど、国際的に活動を展開しました。
スティーヴンスは、ワーウィックのベースとアンプを愛用しており、特にストリーマーベースのネックスルー型4弦モデルをカスタムした「ズールー・ウォーリアー」をメインに使用しています。また、モーリーからは、彼のシグネチャーモデルであるベース用ワウペダル「Fonk Wah」が製作されました。彼の独特なベース奏法は、指弾きと親指を下にしたスラップ奏法を組み合わせたもので、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーの奏法と似ていますが、スティーヴンスの方がキャリアが長いとされています。
2017年頃から認知症を患い、ナーシングホームに入院していましたが、2024年3月10日に72歳で死去しました。彼の音楽への情熱と、卓越した才能は、多くのミュージシャンや音楽ファンに影響を与え続け、その功績は永遠に語り継がれるでしょう。
リーダー・アルバム
『ブーム!!』 - Boom (1995年) ※T.M.スティーヴンス・アウト・オブ・コントロール名義
『スティッキー・ウィキッド』 - Sticky Wicked (1996年) ※T.M.スティーヴンス・アウト・オブ・コントロール名義
Ground Zero (1996年) ※EP
Only You (1996年) ※EP
『ディープパープル・トリビュート』 - Black Night- Deep Purple Tribute According to New York (1997年) ※企画盤。7曲に参加
『ラジオアクティヴ』 - Radioactive (1999年)
『シャカ・ズールー』 - Shocka Zooloo (2001年)
『リムジン・ドライヴ (オリジナル・サウンドトラック)』 - Limousine Drive (2001年)
Africans In The Snow (2007年)
参加アルバム（一部抜粋）
増尾好秋 : 『セイリング・ワンダー』 - Sailing Wonder (1978年)
ナラダ・マイケル・ウォルデン : 『スウィート・ダンス・ミュージック』 - Dance of Life (1979年) ※ヒット・シングル「I shoulda loved ya」を共同で作曲
プリテンダーズ : 『ゲット・クロース』 - Get Close (1986年)
ジェームス・ブラウン : 『グラヴィティ』 - Gravity (1986年)
ビリー・ジョエル : 『リヴァー・オブ・ドリームス』 - River of Dreams (1993年)
この他にも多数のアルバムに参加しています。スティーヴンスの音楽は、様々なジャンルを融合させ、聴く者を魅了しました。
音楽への目覚めとキャリアの始まり
11歳の時、アポロシアターでジェームス・ブラウンの公演を観たことがきっかけで、音楽の道を志すことを決意しました。1970年代からニューヨーク・シティでミュージシャンとしての活動を開始し、初期にはギタリストの増尾好秋のアルバムに参加するなど、早くからその才能を発揮していました。
1978年には、マイルス・デイヴィスのセッションにラリー・コリエル、菊地雅章、アル・フォスターといった一流ミュージシャンと共に参加。このセッションは録音されたものの、公式にはリリースされず、後にブートレッグとして出回るという経緯を辿りました。1979年には、ナラダ・マイケル・ウォルデンのアルバム『スウィート・ダンス・ミュージック』に収録された「I Should Have Loved Ya」をウォルデンと共作し、これがヒットとなり、スティーヴンスの名を広く知らしめました。
ボーカリストとしての開花
スティーヴンスがボーカリストとして活動を始めたきっかけは、ジェームス・ブラウンの「Living in America」の録音に参加した際、ブラウンにコーラスでの参加を求められたことでした。元々ベーシストとして参加していたスティーヴンスは、この出来事を通じてボーカリストとしての新たな可能性を見出し、活動の幅を広げていくことになります。
ショッカ・ズールーとしての活動
スティーヴンスは、ギタリストのマイケル・バーンズ、ドラマーのゲイリー・サリバンと自身のバンド「ショッカ・ズールー」を結成し、2007年までに7枚のアルバムを発表しました。このバンドでは、彼の音楽的な多様性が存分に発揮され、ヘヴィメタルとファンクを融合させた独自のサウンドを追求しました。
多岐にわたる共演
スティーヴンスは、自身のバンド活動以外にも、スティーヴ・ヴァイ、ジョー・コッカー、シンディ・ローパー、リトル・スティーヴン、ティナ・ターナー、ダン・ハートマン、ビリー・ジョエルなど、様々なジャンルの著名ミュージシャンと共演しました。また、プリテンダーズのアルバム『ゲット・クロース』にも参加し、その作品はプラチナレコードに認定されています。さらに、ベーシストとしてだけでなく、プロデューサーやアレンジャーとしても手腕を発揮し、バーニー・ウォーレルやヴィニー・ムーアが参加したディープ・パープルのトリビュート・アルバムを制作するなど、多才な才能を示しました。
その他の活動
ツアー活動も精力的に行っており、自身のバンド「ショッカ・ズールー」でのツアーの合間にも、様々なミュージシャンとツアーを共にしていました。2004年にはジャン＝ポール・ブレリーと、プリンスのバンドで知られるジョン・ブラックウェルとのツアー、2005年にはニール・ザザとのアジアツアー、そしてショッカ・ズールーとしてのヨーロッパツアー、さらにカール・パーマー、アンドレア・ブレイドとのイタリア、ロシアツアーを行うなど、国際的に活動を展開しました。
使用機材と奏法
スティーヴンスは、ワーウィックのベースとアンプを愛用しており、特にストリーマーベースのネックスルー型4弦モデルをカスタムした「ズールー・ウォーリアー」をメインに使用しています。また、モーリーからは、彼のシグネチャーモデルであるベース用ワウペダル「Fonk Wah」が製作されました。彼の独特なベース奏法は、指弾きと親指を下にしたスラップ奏法を組み合わせたもので、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーの奏法と似ていますが、スティーヴンスの方がキャリアが長いとされています。
晩年と逝去
2017年頃から認知症を患い、ナーシングホームに入院していましたが、2024年3月10日に72歳で死去しました。彼の音楽への情熱と、卓越した才能は、多くのミュージシャンや音楽ファンに影響を与え続け、その功績は永遠に語り継がれるでしょう。
ディスコグラフィ
リーダー・アルバム
『ブーム!!』 - Boom (1995年) ※T.M.スティーヴンス・アウト・オブ・コントロール名義
『スティッキー・ウィキッド』 - Sticky Wicked (1996年) ※T.M.スティーヴンス・アウト・オブ・コントロール名義
Ground Zero (1996年) ※EP
Only You (1996年) ※EP
『ディープパープル・トリビュート』 - Black Night- Deep Purple Tribute According to New York (1997年) ※企画盤。7曲に参加
『ラジオアクティヴ』 - Radioactive (1999年)
『シャカ・ズールー』 - Shocka Zooloo (2001年)
『リムジン・ドライヴ (オリジナル・サウンドトラック)』 - Limousine Drive (2001年)
Africans In The Snow (2007年)
参加アルバム（一部抜粋）
増尾好秋 : 『セイリング・ワンダー』 - Sailing Wonder (1978年)
ナラダ・マイケル・ウォルデン : 『スウィート・ダンス・ミュージック』 - Dance of Life (1979年) ※ヒット・シングル「I shoulda loved ya」を共同で作曲
プリテンダーズ : 『ゲット・クロース』 - Get Close (1986年)
ジェームス・ブラウン : 『グラヴィティ』 - Gravity (1986年)
ビリー・ジョエル : 『リヴァー・オブ・ドリームス』 - River of Dreams (1993年)
この他にも多数のアルバムに参加しています。スティーヴンスの音楽は、様々なジャンルを融合させ、聴く者を魅了しました。
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