THE KIDS (Suchmosのアルバム)

アルバム『THE KIDS』についての概要

『THE KIDS』（ザ・キッズ）は、日本のロックバンドSuchmosが2017年1月25日にリリースした2枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムには、ホンダ「VEZEL」のCMで特に注目を浴びた「STAY TUNE」をはじめ、全11曲が収録されています。その音楽スタイルはアシッド・ジャズやソウル、ファンクを基盤にしつつ、ロックの要素も強く打ち出されています。

本作は多方面からの高い評価を受けており、第59回日本レコード大賞の最優秀アルバムを受賞。さらに、2017年度のCDショップ大賞でも受賞歴があります。また、音楽専門誌『ミュージックマガジン』の特集「決定版 2010年代の邦楽アルバム・ベスト100」では15位に選出されました。商業的にも成功を収め、Billboard Japan Hot Albumsで最高2位を記録し、年間チャートでも20位に入るなどし、累計売上は20万枚を超えました。

アルバム制作の背景

『THE KIDS』は、前作『THE BAY』から約1年半ぶりにリリースされ、2016年12月にはアルバムの発表と共に新しいアーティスト写真が公開されました。アルバムには、新曲「A.G.I.T.」や「TOBACCO」、さらには「STAY TUNE」やEP収録の「MINT」などが含まれています。初回限定盤には、2016年の恵比寿LIQUIDROOMでのライブ映像を収めたDVDも付いています。

バンドリーダーのYONCEは、アルバム制作の動機として、いくつかの音楽フェスティバルで感じたフラストレーションを挙げています。特に、観客の反応が同じようなものに留まっている光景に違和感を覚え、この思いが音楽に反映されました。また、インタビューでは、自己表現の一環として新しい音楽スタイルを取り入れたと語っています。

音楽性とトーン

このアルバムの音楽性は、アシッド・ジャズとソウル、ファンクを主軸としており、特に「A.G.I.T.」や「SNOOZE」、さらには「DUMBO」などの曲がロック感を強調しています。中でも、各メンバーの音楽的ルーツを色濃く反映した作品であるとYONCEは述べています。

各楽曲の特徴

• - A.G.I.T.: スケール感があり、スタジアムロックを彷彿とさせる。
• - STAY TUNE: 都会的な皮肉を歌ったダンスチューン。
• - PINKVIBES: アシッド・ジャズに果敢に挑戦した曲。
• - TOBACCO: 挑発的なメッセージが込められた楽曲。
• - SNOOZE: 金属的な音響とサイケデリックな要素が融合。
• - DUMBO: エネルギッシュなオルタナティブロックの影響。
• - INTERLUDE S.G.S.4: 感情豊かなインスト曲。
• - MINT: 夏を感じさせる爽快なアンセム。
• - SEAWEED: ラテン的なリズムが特徴の楽曲。
• - ARE WE ALONE: 様々な感情の起伏を描く曲。

評価と反響

「THE KIDS」は、多くの音楽評論家から称賛を受けています。中でも、小池宏和は「古い価値観を挑発的に突き放す」と評価し、音楽の新鮮さを高く評価しました。さらに、岡村詩野はアルバムのロック音楽としての攻撃的な側面を強調し、サウンドプロダクションの卓越性についても触れています。最終的に、アルバムは強烈なカウンターを音楽シーンに与えたとされ、リスナーからも高く評価された作品となりました。

本アルバムの成功は、Suchmosの音楽スタイルや表現力の幅広さを示しており、次のステップへの期待を高めています。

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