TOI-125

TOI-125星系

TOI-125星系は、地球からおよそ360光年離れた距離に存在する、スペクトル分類がK0V型の恒星を中心に持つ惑星系です。この恒星TOI-125は、質量が太陽の約87%、半径が太陽の約85%であり、太陽と比較的近い物理的特性を持っています。

恒星の発見と名称

この恒星は、当初は「TIC 52368076」というカタログ名で識別されていました。NASAの太陽系外惑星探索衛星TESS（Transiting Exoplanet Survey Satellite）による精密な観測データが分析された結果、この恒星から周期的な明るさの変化が検出されました。この光度変化は、恒星の前を惑星が通過する際に生じるトランジット現象によるものと考えられ、これによりTOI-125（TESS Object of Interest 125）という名称が与えられました。

惑星系の存在

TESS衛星がトランジット法を用いて取得したデータからは、TOI-125の周囲に最大で5つの太陽系外惑星が存在する可能性が示されました。しかし、これらの候補天体のうち、現時点までにその存在が確定しているのは3つの惑星のみです。残りの2つについては、さらなる検証や追加観測が必要とされています。

確認された惑星

存在が確定している3つの惑星は、それぞれ

TOI-125 b
TOI-125 c
TOI-125 d

と名付けられています。これらの惑星のうち、TOI-125 bとTOI-125 cは2019年に行われた追加観測によってその存在が確認されました。続くTOI-125 dは、その後の詳細なデータ分析を経て2020年に確認されました。

確認済みのこれら3つの惑星は、すべてミニ・ネプチューン型惑星であると考えられています。ミニ・ネプチューンとは、地球よりは大きいものの、海王星や天王星といった巨大ガス惑星よりは小さいタイプの惑星で、岩石質の核の周囲に厚いガスや氷の層を持つと推測されています。

未確認の惑星候補

当初TESSによって示唆された5つの惑星候補のうち、TOI-125.04とTOI-125.05として識別された2つの天体は、まだその惑星としての存在が最終的に確認されていません。これらの候補からのトランジット信号は検出されているものの、他の要因との区別が難しいため、確定にはさらなる精密な観測データが求められます。

候補TOI-125.04は、地球の約1.4倍程度の半径を持つと推定されています。特に注目すべきは、その公転周期が1日以下という極超短周期である可能性です。これは、恒星に非常に近い軌道を高速で周回していることを意味します。
* 候補TOI-125.05については、現時点ではその正確な大きさは分かっていませんが、比較的小型の惑星であると推測されています。

TOI-125星系は、複数のミニ・ネプチューン型惑星に加え、極超短周期の惑星候補も含む多様な惑星系として、太陽系外惑星の研究において興味深い対象です。これらの惑星の詳細な特性を理解することは、惑星系の形成や進化のメカニズムを探る上で貴重な示唆を与えると考えられています。未確認の候補についても、今後の観測による確証が待たれます。

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