TOI-175 b

TOI-175 b

TOI-175 bは、地球からおよそ35光年離れたとびうお座の方向に位置する赤色矮星TOI-175を公転している太陽系外惑星の一つです。この惑星にはL98-59 bという別の名称も与えられています。その存在は、アメリカ航空宇宙局（NASA）が2019年6月27日にウェブサイト上で公式に発表しました。

TOI-175 bは、NASAの太陽系外惑星探索衛星TESS（Transiting Exoplanet Survey Satellite）によって発見されました。TESSは、恒星の明るさの変化（トランジット）を観測することで、惑星が恒星の手前を横切る際に生じるわずかな減光を捉え、惑星候補を発見するミッションです。TOI-175 bは、TESSによって確認された惑星の中でも、発見当時のデータでは最も半径が小さい部類に入るとされていました。

この惑星のサイズは、私たちの太陽系にある地球と火星の中間程度です。また、詳細な質量は視線速度法という観測手法を用いて測定されており、その結果は金星のおよそ半分に相当すると推定されています。視線速度法は、惑星の重力が母星に与えるわずかな揺らぎを、母星のスペクトル線のドップラーシフトとして捉えることで惑星の質量を算出する方法です。TOI-175 bの質量も、発見当時、視線速度法によって測定された太陽系外惑星の中では最小級の一つとされていました。

母星であるTOI-175は、太陽よりも小さく低温な赤色矮星です。その周囲には、TOI-175 bを含め、少なくとも4個の惑星が確認されており、さらにTOI-175 fという候補も含めると5個の惑星が存在する可能性が示されています。TOI-175 bは、この多惑星系の中で比較的内側を公転している惑星と考えられています。

TOI-175 bは、地球に近いサイズと比較的近い距離にあることから、太陽系外惑星、特に地球型惑星の研究において重要な対象とされています。今後の技術の進展により、さらに詳細な観測、例えば大気の有無や組成の分析などが可能になれば、この惑星がどのような環境を持っているのか、生命の存在可能性につながる手がかりが得られるのかなど、多くの疑問に対する答えが見つかるかもしれません。

このように、TOI-175 bは、TESSミッションが発見した初期の成果であり、小型の太陽系外惑星の観測データを提供することで、惑星科学の進歩に貢献している天体です。半径と質量の両方が測定されているため、この惑星の平均密度を計算することも可能となり、その組成や内部構造に関する推測を行う上での貴重な情報源となっています。

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