TVR・グリフィス

グリフィス (Griffith)

グリフィスは、イギリスの自動車メーカーTVRが開発したスポーツカーで、1960年代初頭からその歴史が始まりました。本稿では、グリフィスの誕生から最新モデルまでの流れを紹介します。

初代グリフィス (1963年～1965年)

初代グリフィスは、北米においてTVRのディーラー権を取得したジャック・グリフィスが率いるグリフィス・モーターズによって開発されました。当初、アメリカンスポーツカーの流行に影響を受け、AC・コブラの成功をモデルにしたそのデザインは、グランチュラ・マークIIIのシャーシをほぼそのまま利用し、フォード製の4.7L V型8気筒エンジンを搭載する形で誕生しました。

このモデルは、高いパフォーマンスを誇り、シンプルなチューニングにおいても0-100km/h加速が約6秒、最高速度225km/hという驚異的な性能を持っていました。しかし、元のシャーシの特性から来る危険な操作性が課題とされました。TVRは1963年からこのモデルを「グリフィス200」としてラインナップに加え、1965年には改良された「グリフィス400」を発表しました。しかし、改良後も良好な操作性を確保することはできず、1965年に生産が終了しました。

2代目グリフィス (1992年～2001年)

ピーター・ウィラーがTVRの社長に就任した後、イノベーションが進む中で登場したのが、1992年に発表された2代目グリフィスです。このモデルも鋼管のチューブラーフレームをベースにし、FRP製のボディを搭載。2ドアのオープンスポーツとして製作されました。

エンジンはローバーのV8エンジンをFRレイアウトで搭載し、当初は4.0Lから始まりましたが、後には5.0Lまで排気量が増え、軽量ボディとともにスパルタンな性能を実現しました。インテリアデザインはレザー仕立てで、クラシカルな印象を持っていますが、安全装備にはエアバッグが入っていないため、運転技術が求められます。

このモデルは、日本のゲーム「グランツーリスモ」シリーズにも収録されるなど、特に日本市場において高い人気を誇りましたが、2001年に生産を終えることとなります。

3代目グリフィス (2024年～)

新型グリフィスは、2017年にグッドウッド・リバイバルでその姿を発表しました。このモデルはTVRの創立70周年を記念して開発され、元ブラバム・マクラーレンのデザイナー、ゴードン・マレーの手によるデザインです。

搭載されるエンジンはフォード製の5.0L V型8気筒で、コスワースがチューニングを施したものです。これにより、最高出力は500 PSを超え、0-60 mphの加速も4秒未満とされています。また、最高速度は322 km/h以上と期待されています。

新型モデルでは、安全装備が充実し、パワーステアリング、ABS、トラクションコントロールが標準で搭載。加えて、シャーシは鋼管フレームにカーボンパネルが組み合わされ、剛性と軽量化が両立されています。2024年からの量産は待たれるものの、生産開始は2023年末時点では未定です。

まとめ

グリフィスはその歴史を通じて、常にスポーツカーの象徴として存在し続けています。過去のモデルの影響を受けつつも、新技術を取り入れた現代モデルは、今後の展開が期待されます。

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