Tera Term
Tera Term（テラターム）は、Windows環境で利用できる多機能なリモートログオンクライアントです。SSH、telnet、シリアル通信といった多様なプロトコルに対応しており、システム管理者やエンジニアにとって欠かせないツールとなっています。元々は寺西高氏によって開発されましたが、現在はTeraTerm Projectによって、修正BSD[[ライセンス]]というオープンソースライセンスの下で開発が続けられています。
1994年から1998年にかけて、寺西高氏によって初期のTera Termが開発されました。この時期には、16ビット版の「Tera Term」と32ビット版の「Tera Term Pro」がリリースされました。特に断りがない限り、これらをまとめて「Tera Term」と呼称します。
初期のTera Termは、telnetやシリアルポートを通じたリモートホストへの接続が可能で、マクロ機能も搭載していました。XMODEMやZMODEMなどのバイナリ転送プロトコルもサポートしており、パソコン通信やUNIXシステムへのログインによく利用されました。組み込み分野では、シリアルポート経由でハードウェアに接続し、機器の試験にマクロ機能が活用されることも多かったです。さらに、Robert O’Callahan氏が開発した「TTSSH」というプラグインを導入することで、SSH1接続も可能になりました。この初期のTera Termは、Windows 95/NTに対応し、最終バージョン2.3まで、1990年代のWindows向けフリーウェアとしては珍しくソースコードが公開されていました。ただし、ソースコードを変更したバイナリを再配布するには原作者の許可が必要であり、厳密にはオープンソースの定義には合致しませんでした。なお、TTSSHは当初からBSD[[ライセンス]]の下で公開されていました。
オリジナルのTera Termのソースコードが公開されたことで、IPv6対応版、ローカライズ版、プロキシ対応版、ウィンドウ半透明化対応版など、多くの派生版が登場しました。しかし、開発の主導者が不在であったり、派生版の再配布に原作者の許可が必要だったりしたため、第三者が開発を引き継ぐことが難しい状況が続きました。また、セキュリティに対する需要が高まるにつれて、telnetやSSH1のような脆弱性のあるプロトコルは敬遠されるようになりました。当初のTTSSHはSSH2に対応していなかったことも、ユーザーがPuTTYなどの他のツールに移行する要因となりました。SSH2に対応した派生版としてAyera Technologiesの「TeraTerm Pro Web」がありましたが、ソースコードが公開されていなかったため、ユーザーの支持を得ることはできませんでした。
2004年3月、平田豊氏を中心とするTeraTerm Projectによって、Tera TermにUTF-8をサポートするパッチが作成されました。同年8月には、SSH2に対応した「TTSSH2」がベータ版として公開されました。さらに、寺西高氏との連絡が取れたことで、TeraTerm Projectが正式に開発とバイナリ再配布の許可を得ることができました。そして、修正BSD[[ライセンス]]の下で、TTSSH2を取り込んだ「UTF-8 TeraTerm Pro with TTSSH2」としてオープンソース化されました。その後、インストーラーの導入により、関連ツールも同時にインストールされるように改良され、2008年6月にはオリジナルと同じ「Tera Term」に名称が変更されました。バージョン4.xx以降では、UTF-8とSSH2対応を主軸とし、派生版の機能を取り込みながら開発が進められました。バージョン5では内部Unicode化が行われ、多言語の同時表示が可能になりました。現在では、「Tera Term」はPuTTYをリンクライブラリとして利用しており、日本だけでなくアメリカにもコミュニティが存在します。
Tera Termは、その長い歴史の中で多くの開発者やユーザーによって支えられてきました。初期のTera Termから、派生版の登場、そしてオープンソース化という変遷を経て、現在では多くのユーザーに利用されるリモートログオンクライアントとして成長を続けています。今後も、活発なコミュニティによって、更なる機能拡張や改善が期待されています。
端末エミュレーター
Secure Shell
Kermit
Telnet
XMODEM
ZMODEM
SSHクライアントの比較
Tera Term Open Source Project
Tera Term Home Page
TeraTerm Project (@Tera_Term) - X（旧Twitter）
誕生と初期のTera Term
1994年から1998年にかけて、寺西高氏によって初期のTera Termが開発されました。この時期には、16ビット版の「Tera Term」と32ビット版の「Tera Term Pro」がリリースされました。特に断りがない限り、これらをまとめて「Tera Term」と呼称します。
初期のTera Termは、telnetやシリアルポートを通じたリモートホストへの接続が可能で、マクロ機能も搭載していました。XMODEMやZMODEMなどのバイナリ転送プロトコルもサポートしており、パソコン通信やUNIXシステムへのログインによく利用されました。組み込み分野では、シリアルポート経由でハードウェアに接続し、機器の試験にマクロ機能が活用されることも多かったです。さらに、Robert O’Callahan氏が開発した「TTSSH」というプラグインを導入することで、SSH1接続も可能になりました。この初期のTera Termは、Windows 95/NTに対応し、最終バージョン2.3まで、1990年代のWindows向けフリーウェアとしては珍しくソースコードが公開されていました。ただし、ソースコードを変更したバイナリを再配布するには原作者の許可が必要であり、厳密にはオープンソースの定義には合致しませんでした。なお、TTSSHは当初からBSD[[ライセンス]]の下で公開されていました。
派生版の登場と課題
オリジナルのTera Termのソースコードが公開されたことで、IPv6対応版、ローカライズ版、プロキシ対応版、ウィンドウ半透明化対応版など、多くの派生版が登場しました。しかし、開発の主導者が不在であったり、派生版の再配布に原作者の許可が必要だったりしたため、第三者が開発を引き継ぐことが難しい状況が続きました。また、セキュリティに対する需要が高まるにつれて、telnetやSSH1のような脆弱性のあるプロトコルは敬遠されるようになりました。当初のTTSSHはSSH2に対応していなかったことも、ユーザーがPuTTYなどの他のツールに移行する要因となりました。SSH2に対応した派生版としてAyera Technologiesの「TeraTerm Pro Web」がありましたが、ソースコードが公開されていなかったため、ユーザーの支持を得ることはできませんでした。
SSH2対応とオープンソース化
2004年3月、平田豊氏を中心とするTeraTerm Projectによって、Tera TermにUTF-8をサポートするパッチが作成されました。同年8月には、SSH2に対応した「TTSSH2」がベータ版として公開されました。さらに、寺西高氏との連絡が取れたことで、TeraTerm Projectが正式に開発とバイナリ再配布の許可を得ることができました。そして、修正BSD[[ライセンス]]の下で、TTSSH2を取り込んだ「UTF-8 TeraTerm Pro with TTSSH2」としてオープンソース化されました。その後、インストーラーの導入により、関連ツールも同時にインストールされるように改良され、2008年6月にはオリジナルと同じ「Tera Term」に名称が変更されました。バージョン4.xx以降では、UTF-8とSSH2対応を主軸とし、派生版の機能を取り込みながら開発が進められました。バージョン5では内部Unicode化が行われ、多言語の同時表示が可能になりました。現在では、「Tera Term」はPuTTYをリンクライブラリとして利用しており、日本だけでなくアメリカにもコミュニティが存在します。
まとめ
Tera Termは、その長い歴史の中で多くの開発者やユーザーによって支えられてきました。初期のTera Termから、派生版の登場、そしてオープンソース化という変遷を経て、現在では多くのユーザーに利用されるリモートログオンクライアントとして成長を続けています。今後も、活発なコミュニティによって、更なる機能拡張や改善が期待されています。
関連項目
端末エミュレーター
Secure Shell
Kermit
Telnet
XMODEM
ZMODEM
SSHクライアントの比較
外部リンク
Tera Term Open Source Project
Tera Term Home Page
TeraTerm Project (@Tera_Term) - X（旧Twitter）
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