The Last Supper

電気グルーヴのセルフ・トリビュート・アルバム『The Last Supper』は、彼らのメジャー・デビュー10周年を記念して2001年7月25日にリリースされました。ライブ・アルバム『イルボン2000』から約1年ぶりの作品で、電気グルーヴ自身がプロデュースを手掛けています。

このアルバムは、過去に電気グルーヴと関わりのあった漫画家の天久聖一や、小山田圭吾など、多彩なゲストが参加している点が特徴です。過去の楽曲のリミックス・バージョンが多数収録されており、初回限定盤には、初CD化となる貴重な音源がボーナスCDとして付属していました。

アルバムには「ドリルキング社歌2001」のように、電気グルーヴらしいユーモアと音楽性が融合した楽曲や、「元祖・力医師」のようなパロディ要素を取り入れた楽曲も収録されています。また、コーネリアスがリミックスを手掛けた「ガリガリ君 (cornelius remix)」や、レクシー&K・ポールがリミックスした「nothing's gonna change (lexy & k-paul remix)」など、外部アーティストによる新たな解釈も楽しめます。

特に注目されるのは、「ノイ ノイ ノイ」の制作過程です。代々木公園野外音楽堂で一般のファンからコーラスを募集し、その模様をレコーディングするというユニークな試みが実施されました。ファンと共に創り上げたこの楽曲は、電気グルーヴとファンとの一体感を象徴していると言えるでしょう。

『The Last Supper』は、オリコンアルバムチャートで最高位10位を獲得しました。しかし、その年の9月8日に開催されたレイヴ・イベント「WIRE01」への参加を最後に、電気グルーヴは活動を休止。ベスト・アルバム『SINGLES and STRIKES』がリリースされるまでの間、沈黙を守ることになります。

アルバムのアートワークもまた、彼らの遊び心を反映しています。ジャケットには、タワーレコードの広告に使用されていた宇宙人姿の石野卓球とピエール瀧が登場。顔出しを避けた結果、「タワレコに買い物に来た宇宙人」というコンセプトが生まれました。ブックレットには、ビートルズやフィンガー5、ゴダイゴ、安全地帯をモデルとした、ユーモア溢れるバンド・ヒストリー写真が掲載されています。

電気グルーヴの10年の軌跡と、彼らの音楽に対する実験精神、そしてユーモアが凝縮された『The Last Supper』は、彼らのファンだけでなく、幅広い音楽ファンにとっても楽しめる作品です。

収録曲
Disc 1
1. ドリルキング社歌2001
2. 元祖・力医師
3. カフェ・ド・鬼
4. ガリガリ君 (cornelius remix)
5. B.B.E.
6. エジソン電 (DJ tasaka's teyuka akogare mix edit)
7. 21世紀もモテたくて…
8. 愛のクライネメロディー (overrocket 8201 mix)
9. スコーピオン2001 (tribute vocal mix edit)
10. N.O. (Nord Ost)
11. ノイ ノイ ノイ

Disc 2
1. nothing's gonna change (lexy & k-paul remix)
2. 新幹線 (tab eater mix)
3. ダイナソータンク
4. あすなろサンシャイン (takkyu ishino re-construction)
5. 誰だ! (kagami's remix)
6. N.O. (Nord Ost) - POLYSICS
7. technopolis (denki's electropolis remix)
8. モテたくて… (天久カペラ)

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