Torch Tower

Torch Tower（トーチタワー）

東京都千代田区大手町二丁目に位置するTorch Towerは、現在建設が進められている大規模複合施設です。東京駅日本橋口前で行われている「東京駅前常盤橋プロジェクト（大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業）」の一環として、同プロジェクト内で最も高い「B棟」として計画されました。

このプロジェクトは、常盤橋タワー（A棟）、銭瓶町ビルディング（D棟）、そしてTorch Tower（B棟）から構成されています。Torch Towerの建設地には、かつて朝日生命大手町ビル（1971年竣工）と日本ビルヂング（1962年竣工）という二つの建物がありましたが、これらはプロジェクトのために解体されました。常盤橋タワーが2021年6月、銭瓶町ビルディングが2022年3月にそれぞれ完成した後、Torch Towerは2023年9月27日に着工しました。

建物の名称である「Torch Tower」は、再開発地区全体の名称である「TOKYO TORCH」と同様に「たいまつ（松明）」を意味する英語の「torch」に由来しています。「日本を明るく照らす」という願いが込められており、街区の名称「TOKYO TORCH」と共通のコンセプトである「灯り」を表現しています。このコンセプトは、絶え間ない挑戦への情熱や燃え盛る炎を連想させると同時に、古くから日本の建材として用いられてきた銅の色がモチーフとされています。TOKYO TORCHのロゴマークが赤銅色でデザインされているように、Torch Towerも特に高層階にあるホテルのロビー部分が、まるで灯りのように赤銅色に輝く外観となるよう設計されています。

Torch Towerは地上62階、地下4階建て、高さ385メートルに達します。これは、現在日本一高いビルである大阪のあべのハルカス（高さ300m）や、2023年に完成した麻布台ヒルズ森JPタワー（高さ325m）を上回り、完成時には日本で最も高いビルとなる予定です。さらに、日本のビルとしては初めて、東京タワー（高さ333m）および350メートルを超える高さの建物となります。竣工は2028年3月31日を目指しています。

施設構成は多岐にわたります。地下1階から地上6階にかけては、約4,500坪にも及ぶ広大な商業ゾーンが展開されます。このうち地上3階から6階には、約2,000席を備えた多目的ホールが設けられます。このホールは「現代の芝居小屋」をイメージしており、常盤橋タワーとの間に整備される約7,000平方メートルの大規模広場と連携したイベント展開が可能な設計となっています。7階から13階は機械室、14階から52階はオフィスフロアとなります。

高層階は国際的な施設で構成されます。53階から58階には、国際級ホテルの「ドーチェスター・コレクション」が入居します。ホテルのロビー階は、高さ300メートルを超える場所にありながら外の空気を感じられる開放的な空間としてデザインされており、「たいまつ」のイメージを具体的に表現しています。昼間はこの部分が赤銅色に際立ち、夜間は灯りが点ったように輝いて見えます。59階から60階には、大手町・丸の内・有楽町エリアでは初となるラグジュアリーレジデンスが配置されます。

最上層の61階と屋上階（RF）は展望施設となっており、眼下に広がるダイナミックな街並みはもちろん、晴れた日には遠く東京湾や富士山まで見渡すことができます。

また、これらの施設の一部、特に多目的ホールやホテルのオープンスペースは、コロナ禍を経て変化した社会状況に対応するため、計画が追加・変更されたものです。さらに、屋外空間を最大限に活用するため、Torch Towerの1階から8階まで続く約2キロメートル、広さ約5,000平方メートルの空中散歩道と、その終点にある約2,500平方メートルの屋上庭園が整備されることも発表されています。これらの施設は、新たな時代に合わせた、より開放的で多様な利用を可能にする空間として期待されています。

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