Turion II

AMD Turion II Dual-Core Mobile Processors

AMD Turion II Dual-Core Mobile Processorsは、AMDが開発したモバイルデバイス向けのマイクロプロセッサです。前世代のTurion X2 Ultraの後継として、AMD K10アーキテクチャを採用し、パフォーマンスの向上と省電力性を実現しました。このシリーズは、メインストリームのモバイルPC市場をターゲットに、幅広いユーザーニーズに応える製品ラインナップを提供しました。

本稿では、Turion II Dual-Core Mobile Processorsを中心に、高性能版のAMD Turion II Ultra Dual-Core Mobile Processors、廉価版のAMD Athlon II Dual-Core Processors for Notebook PCs、そして最廉価版のAMD Sempron Processor for Notebook PCsについても詳細に解説します。

概要

Turion IIは、Turion X2 Ultraの後継として登場したAMDのモバイル向けCPUブランドです。メインターゲットは、一般的なモバイルPC市場です。このシリーズは、性能や価格帯によって複数のブランド名で展開されました。最上位モデルには「Turion II Ultra」、高性能モデルには「Turion II」、安価なモデルには「Athlon II」、そして最も廉価なモデルには「Sempron」の名称が与えられました。

製品

Caspian (45 nm SOI)

Caspianコアは、2009年9月10日にリリースされました。このコアは、メインストリームのモバイルPC向けのプラットフォームであるTigrisに対応しています。主な特徴は以下の通りです。

Dual Stars core: CPUコアの名称
Memory controller: デュアルチャネルDDR2-800 MHzメモリに対応
対応命令セット: MMX, Extended 3DNow!, SSE, SSE2, SSE3, SSE4a, AMD64, PowerNow!, NX bit, AMD-V
Socket: Socket S1G3

Chaplain

Chaplainコアは、2010年5月12日に発表されました。このコアは、メインストリームのモバイルPC向けのプラットフォームDanubeに対応しています。この世代では、高性能版のPhenom II、廉価版のAthlon II for Notebook PC’s、そして最廉価版のVシリーズも同時にリリースされました。モデルナンバーの先頭のアルファベットは、TDP（熱設計電力）を表しており、以下のようになっています。

X: TDP 45Wのモデル
N (またはP): TDP 35Wのモデル
P: TDP 25Wのモデル
V: Vシリーズ (TDPに関わらず)

これらのモデルは、さまざまなパフォーマンスと電力効率のニーズに対応するため、幅広い選択肢を提供しました。

その他の製品

AMDは、Turion IIシリーズ以外にも、様々なモバイル向けプロセッサをリリースしています。

Turion 64: 初期のモバイル向けプロセッサ
Turion 64 X2: デュアルコア版のTurion 64
Turion X2 Ultra: Turion IIシリーズの前世代モデル
x64 (AMD64): AMDが開発した64ビットアーキテクチャ

これらの製品は、AMDのモバイルプロセッサの進化の歴史を示しています。

まとめ

AMD Turion II Dual-Core Mobile Processorsは、AMDのモバイル向けCPUの重要な一世代であり、その後の製品開発に大きな影響を与えました。幅広いラインナップと、性能と価格のバランスの良さで、多くのユーザーに支持されました。

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