UボートII型

UボートII型：沿岸防衛を担った小型潜水艦

UボートII型は、第二次世界大戦中にドイツ海軍が運用した潜水艦です。沿岸での作戦を想定して設計された本級は、小型で取り回しが良く、初期のドイツ海軍にとって重要な戦力となりました。

設計と特徴

II型は、第一次世界大戦時のUBII型潜水艦をベースに、海軍技術会社（IvS）がフィンランド海軍向けに設計したヴェシッコを参考に開発されました。小型で航続距離は短いものの、その扱いやすさから訓練用としても重宝され、多くの潜水艦乗員の育成に貢献しました。

各型

II型は、IIA型、IIB型、IIC型、IID型の4つのタイプに分類されます。それぞれの型は、航続距離の延伸や無線設備の強化など、改良が加えられています。

IIA型

最初に建造されたIIA型は、250トンと小型で、その水中運動性は高く評価されました。しかし、航続距離が短く、実戦用としては性能不足だったため、後に練習潜水艦として使用されました。

IIB型

IIA型の航続距離を改善するため、船体を延長し燃料搭載量を増やしたのがIIB型です。多くの艦が実戦に参加し、一部は黒海に輸送され、戦果を挙げました。

IIC型

IIB型をさらに延長し、燃料搭載量を増加させたIIC型は、無線設備の充実や潜望鏡の追加も行われました。

IID型

IIC型にサドルタンクを装備し、燃料搭載量を大幅に増加させたのがIID型です。スクリューも改良され、速力の低下を抑制しています。

性能諸元（IIC型、IID型）

同型艦一覧

IIA型：U-1～U-6（計6隻）
IIB型：U-7～U-24、U-120～U-121（計20隻）
IIC型：U-56～U-63（計8隻）
IID型：U-137～U-152（計16隻）

まとめ

UボートII型は、沿岸での作戦を主任務とする小型潜水艦でしたが、その扱いやすさから訓練用としても重要な役割を果たしました。各型を通じて改良が重ねられ、第二次世界大戦初期のドイツ海軍を支えた存在と言えるでしょう。

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