U81 (潜水艦・2代)

U81：第二次世界大戦で活躍したドイツの潜水艦

U81は、第二次世界大戦中にドイツ海軍が運用したVII型潜水艦です。数々の戦果を挙げたU81の生涯を紐解きます。

建造と就役

U81は1939年1月25日にブレーメンのブレーマー・フルカン造船所に発注され、1940年5月11日に起工、約9ヶ月後の1941年2月22日に進水しました。同年4月26日には、フリードリヒ・グッゲンベルガー中尉を艦長に迎え就役。グッゲンベルガー中尉の指揮下、U81は第1Uボート戦隊に配属され訓練を実施。その後、同戦隊に所属したまま実戦に参加し、哨戒訓練を行いました。

艦歴

初期の哨戒

U81が最初に戦果を挙げたのは、2回目の哨戒時。トロンハイムから北海、北大西洋を経て、フランスのブレストへ配属される前のことでした。この哨戒でSC42船団と遭遇し、9月9日にイギリス船エンパイア・スプリングバック、翌10日にはサリー・マークスを撃沈。合計8,843トンの戦果を挙げました。その後、U81は地中海派遣を命じられます。

地中海へ向かう最初の試みは、10月30日にイギリス空軍のPBY カタリナ飛行艇の攻撃を受け、大きな損傷を負い失敗。ジブラルタル海峡を通過できませんでした。カタリナはロッキード・ハドソンと共同でU81に対し爆雷を投下。U81はブレストへ帰還し、修理を受けました。

アーク・ロイヤル撃沈

11月4日、U81はブレストからラ・スペツィアへ向け出港。11月13日にジブラルタル海峡を通過中、ジブラルタルへ帰還途中のH部隊と遭遇します。U81は航空母艦アーク・ロイヤルへ向け魚雷を4発発射。うち2発が命中し、大きな損傷を与えました。護衛艦からの爆雷攻撃をかわしつつ、アーク・ロイヤルは救難作業にもかかわらず、攻撃から約12時間後に放棄され、その約2時間後に転覆、沈没しました。乗員の犠牲者は魚雷の爆発が原因の1名のみでした。U81は12月1日にラ・スペツィアに到着し、第29Uボート戦隊に合流しました。

地中海での哨戒

4回目の哨戒では戦果を得られませんでしたが、1942年4月4日に地中海東部へ向け5回目の哨戒に出航。4月16日にはエジプトの帆船バブ・エル・ファラグ、ファトウ・エル・カールに加え、イギリス船カスピア、自由フランス海軍の対潜トロール漁船改造艇ヴィーキングスを撃沈。さらに4月19日にエジプト帆船ヘフツ・エル・ラーマン、4月22日にはエル・サーディアーともう1隻を沈めました。4月25日まで哨戒を行いサラミスに入港。22日間で7隻、7,682トンの船を沈めたことになります。サラミスからの6回目の哨戒では戦果を得られませんでしたが、7回目の哨戒でイギリス船アーヴルを6月10日に沈め、ラ・スペツィアに戻りました。8回目の哨戒は地中海西部で行われ、イギリス船ガーリングを11月10日に沈め、トーチ作戦中の船団を攻撃、11月13日にマロンを沈めました。

その後、U81はポーラ方面へ移動。12月25日には艦長がヨハン・オットー・クリーク中尉に交代します。1943年1月30日、ポーラから次の哨戒に出航。2月10日にオランダ船サロエナに損傷を与え、翌11日には4隻の帆船（エジプト船アル・カスバナー、サッバーフ・エル・キール、レバノン船フスニ、パレスチナ船ドルフィン）を撃沈。2月19日にサラミスに入港し、21日間の哨戒で4隻388トンを沈め、1隻6,671トンに損傷を与えました。

11回目の哨戒ではエジプト帆船ブーギー、マワッハーブ・アッラー、ロスディを沈めましたが、目立った戦果は挙げられず、次の哨戒に期待がかかりました。12回目の哨戒で、6月17日にイギリス兵員輸送船ヨーマを撃沈。続いて25日にはエジプト帆船ニスル、26日にはシリア帆船ネリーとトウフィック・アッラー、27日にはギリシア船ミカリオスを沈めましたが、ラタキア沖で海岸砲の攻撃を受けました。13回目の哨戒では、7月22日にエンパイア・ムーンに魚雷を命中させ、重大な損傷を与えました。

以降の3回の哨戒では、11月18日（16回目の哨戒）にエンパイア・ダンスタンを沈めたのみでした。

最期

1944年1月9日11時30分、U81はポーラ基地でアメリカ軍爆撃機による爆撃を受け沈没。乗組員2名が死亡、44名が生存しました。残骸は4月22日に引き上げられ解体されました。

U81は17回にわたる哨戒で、合計63,289トンの23隻を沈め、他に14,143トンの2隻に損傷を与えました。

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