U862 (潜水艦)

U862: 歴史的なドイツUボート

U862は、第二次世界大戦中にドイツ海軍が運用したIXD/2型潜水艦です。この艦は、戦争終結後に日本海軍に接収され、伊号第五百二潜水艦となりました。U862は、その戦闘記録の中で、合計7隻、総トン数42,374トンの艦船を沈めるという成果を挙げています。

艦歴の概要

U862は、1941年6月5日にブレーメンのAGヴェーザー社で建造が発注され、1942年8月15日に起工、その後1943年6月8日に進水、10月7日に就役しました。艦長にはハインリヒ・ティム大尉が就任し、その指揮のもとで数々の任務を遂行しました。ティムは以前に掃海艇や他の潜水艦の艦長としての経験があり、特にイギリス潜水艦の撃沈に成功するなど、優れた戦績を持つ艦長でした。

初期の任務

U862は、インド洋に向けての任務を帯びて、1944年5月21日にキールを出撃しました。艦には、日本向けの武器の図面や、水銀、鉛などが積まれていました。この艦は、シュノーケル装置や潜水艦用の回転翼凧であるフォッケ・アハゲリスFa330バッハシュテルツェを装備しており、様々な任務を遂行するための準備が整っていました。

出航後、燃料タンクに亀裂が見つかり、修理のためナルヴィクへ向かうことになりました。そこでの修理後、6月3日に出発し、デンマーク海峡を経て大西洋へ。7月25日には、南大西洋でアメリカの船「ロビン・グッドフェロー」を沈める功績を残しました。

インド洋での戦闘

8月にはインド洋に進出し、イギリス船を次々と撃沈しました。特に、8月13日から19日には、いくつかのイギリス船を沈めるという成功を収めました。また、8月20日には、PBYカタリナ飛行艇を撃墜することにも成功しました。9月9日にはペナンに到着し、その後シンガポールに移動して整備や乗員の休養を行いました。

11月に入ると、オーストラリア沖での商船破壊戦に参加することが決定し、U862は11月18日にバタヴィアを出撃しました。しかし、その後の任務では期待された戦果を上げられず、12月9日にはギリシャ船を攻撃するも逃がす結果となります。

戦闘及び最終命令

12月下旬にはアメリカのリバティ船を沈めることに成功。しかし、その後はニュージーランドへ向かいましたが、思わしい成果は得られませんでした。1945年1月に帰還命令を受け、2月6日には再びアメリカのリバティ船を沈めましたが、この作戦時に艦内では赤痢が流行してしまいました。

最終的に、U862は1945年2月14日にバタヴィアに帰投し、5月7日にドイツが降伏したことで日本海軍に接収されました。7月15日には艦名変更を受け、伊号第五百二潜水艦として新たな任務に入ります。1945年11月30日には除籍され、1946年2月15日にマラッカ海峡でイギリスのフリゲートにより沈められました。

結論

U862は、ドイツと日本の海軍史において重要な位置を占め、彼女の任務と戦果は今でも多くの歴史愛好家に語り継がれています。

もう一度検索