UFC 85

UFC 85: ベドラム - 混乱と熱戦の夜

2008年6月7日、イングランド・ロンドンO2アリーナを舞台に、総合格闘技イベントUFC 85: ベドラムが開催されました。当初の予定カードは、数々のアクシデントにより大きく変更を余儀なくされたものの、会場を熱狂の渦に巻き込む、記憶に残る大会となりました。

予想外の欠場と変更の嵐

大会を象徴する出来事といえば、なんといっても複数の選手の負傷欠場です。当初ライトヘビー級のメインイベントでは、マウリシオ・ショーグンとチャック・リデルの対戦が予定されていました。しかし、ショーグンの左膝前十字靭帯の再損傷により欠場が決定。これにより、代替としてラシャド・エヴァンスがリデルと対戦することになりました。しかし、今度はリデルが右大腿屈筋の筋断裂で欠場。さらに、リデルの代替選手として選ばれたジェームス・アーヴィンも足の負傷により出場不可能となりました。この一連のドミノ倒しにより、エヴァンスも大会への参加を取りやめ、メインイベントのカードは大きく変更を余儀なくされたのです。

これらの欠場以外にも、ウェルター級で予定されていたジョナサン・グレ対ポール・ケリーの試合も中止となりました。タイトルマッチも全階級で実施されず、当初予定されていた大会とは大きく異なる顔ぶれとなりました。

セミファイナルでは、マイケル・ビスピンの対戦相手として予定されていたクリス・リーベンが逮捕により欠場。代わりにジェイソン・デイが出場することになりました。ヘビー級では、ニール・ウェインの欠場によりエディ・サンチェスが出場しています。

メインイベントのヒューズ対アウベスの試合は、アウベスが前日計量で4ポンドの体重超過をしたものの、ヒューズ側の合意により175ポンドのキャッチウェイトバウトとして実施されました。

熱戦が繰り広げられた試合結果

数々のアクシデントにも関わらず、UFC 85は多くの熱戦を生み出しました。

プレリミナリィカードでは、アントニー・ハードンクがエディ・サンチェスをTKOで下し、ポール・テイラーがジェス・リアウディンに判定勝ち、ルイス・カーニがジェイソン・ランバートをTKOで破るなど、白熱した試合が展開されました。さらに、ケヴィン・バーンズがホアン・カルネイロに三角絞めで勝利、マット・ワイマンがチアゴ・タバレスにKO勝ち、マルティン・カンプマンがホルヘ・リベラにフロントチョークで一本勝ちを収めました。

メインカードでは、ファブリシオ・ヴェウドゥムがブランドン・ヴェラをTKOで下し、ターレス・レイチがネイサン・マーコートに判定勝ち、マイク・スウィックがマーカス・デイヴィスに判定勝ちしました。そして、注目を集めたミドル級では、マイケル・ビスピンがジェイソン・デイをTKOで下しました。

そして、メインイベント。チアゴ・アウベスは、マット・ヒューズに跳び膝蹴りをヒットさせ、続くパウンドでTKO勝利を収めました。アウベスの圧巻のパフォーマンスは、大会の大きな話題となりました。

各賞

・ファイト・オブ・ザ・ナイト：マット・ワイマン vs. チアゴ・タバレス

・ノックアウト・オブ・ザ・ナイト：チアゴ・アウベス

・サブミッション・オブ・ザ・ナイト：ケヴィン・バーンズ

受賞選手にはそれぞれ50,000ドルのボーナスが授与されました。

まとめ

UFC 85: ベドラムは、数々のアクシデントに見舞われながらも、選手たちの熱い戦いで会場を沸かせた大会でした。当初の予定とは異なる展開となりましたが、その熱狂は記憶に残るものとなりました。アウベスの圧勝、そして数々の熱戦は、多くのファンに感動と興奮を与えたことでしょう。大会を彩った様々な出来事は、UFCの歴史に刻まれた重要な出来事の一つと言えるでしょう。

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