UH-60J (航空機)

UH-60 ブラックホークヘリコプターの日本仕様

この文書では、UH-60 ブラックホークヘリコプターの日本における仕様について、特に航空自衛隊と海上自衛隊で運用されているUH-60Jおよび陸上自衛隊向けのUH-60JAに焦点を当てます。

UH-60J 救難ヘリコプター

概要

UH-60Jは、米国シコルスキー・エアクラフトによって開発されたUH-60 ブラックホークを基に、日本の航空自衛隊が救難活動用に独自に改良したヘリコプターです。三菱重工業がライセンス生産を行っており、隊員からは「ロクマル」と通称されています。

配備状況

UH-60Jは1988年度予算から調達が始まり、2021年度までに67機が計上されました。2024年3月末時点では38機が航空自衛隊に配備されています。最初の機体は1990年12月に納入され、その後の試験や改良が行われてきました。主要な装備としては、熱線映像装置（FLIR）や航法気象レーダー、加えて大型の増槽や捜索用バブルウインドウが含まれます。

2005年以降の機体はSP仕様となり、乗員が暗視装置を装着した場合のコクピットパネルの輝度調整機能や自衛用にチャフ・フレア・ディスペンサーが追加され、多様な任務への対応が可能となりました。

事故歴

過去にはいくつかの事故も発生しています。1994年には千歳救難隊のUH-60Jが墜落し、乗員5名が殉職しました。2017年の夜間飛行訓練時には、機長が空間識失調に陥り墜落、乗員の殉職者も出ました。そして、2023年には陸上自衛隊のUH-60JAが墜落し、乗員の一部が不明になりました。

UH-60JA 多用途ヘリコプター

UH-60JAは、陸上自衛隊向けに調達された多用途ヘリコプターで、1995年度からの調達が開始されました。2024年3月末時点で39機が保有されています。この機体は輸送ルートやそれに付随する任務を遂行することを目的としています。

特徴・性能

UH-60JAは、航空自衛隊のUH-60Jとは異なる装備が施されています。特に、赤外線暗視装置や航法気象レーダーを装備し、自動操縦機能も有しています。また、燃料容量が増加したことで航続距離が1,295キロメートルに延長されています。さらに、対応する武装としてドアに機関銃を搭載可能で、状況に応じた火力支援も実施できます。

現在の運用は主に教育部隊や実戦部隊で行われており、主に救難任務に従事しています。これにより、陸上自衛隊の運用範囲を広げ、さまざまな災害派遣任務や緊急輸送活動に適応しています。

結論

UH-60JとUH-60JAは、日本において重要かつ多機能なヘリコプターとして活用されています。それぞれの役割に応じて装備や運用方法が異なるため、各自衛隊における救難や輸送活動において欠かせない存在となっています。それぞれの機体についての詳細な情報は、今後も定期的に更新され、運用の最前線を支えています。

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