Unnamed Memory
『Unnamed Memory』（アンネームドメモリー）は、古宮九時による日本のライトノベル作品です。イラストはchibiが担当しており、略称は「アンメモ」として親しまれています。
元々は2008年に個人サイト「no-seen flower」に掲載されていた小説がルーツで、当時は「藤村由紀」名義で発表されていました。その後、2012年からは「小説家になろう」でも連載が開始され、多くの読者の支持を得ました。2019年1月から2021年4月にかけては、電撃の新文芸（KADOKAWA）から書籍版が刊行され、さらに2022年2月からは続編となる『Unnamed Memory -after the end-』が同レーベルより刊行されています。
本作は、数々のランキングで高い評価を受けており、『このWeb小説がすごい！』全Web小説ベストランキングでは9位、『次のヒット作はこれだ！ 新作ラノベ総選挙2019』新文芸・ブックス部門（ブックウォーカー）では10位を獲得しています。さらに、『このライトノベルがすごい！』単行本・ノベルス部門では、2020年版で1位、2021年版で3位に輝き、2020年には第5回ラノベ好き書店員大賞で単行本部門第5位に入賞するなど、その人気は非常に高いと言えます。
メディアミックス展開も積極的に行われており、『月刊コミック電撃大王』（KADOKAWA）では、2020年9月から越水ナオキによるコミカライズ版が連載されています。また、2020年10月にはAudibleにて、小澤亜李と角田雄二郎による朗読で第1巻のオーディオブックが配信されました。さらに、テレビアニメ化もされており、第1期が2024年4月から6月まで放送され、第2期が2025年1月より放送予定となっています。
物語の舞台は、強大な力を持つ5人の魔女が大陸を支配する時代です。主人公である強国ファルサスの王太子オスカーは、幼い頃にかけられた「子孫を残せない呪い」を解くため、試練を達成すれば願いを叶えるという〈青き月の魔女〉ティナーシャの塔を訪れます。
試練を乗り越えたオスカーは、呪いの解呪を求めますが、ティナーシャからその呪いが実は祝福であり、完全な解呪は難しいと告げられます。その呪いは、胎児に強力な守護をかけるためのものであり、普通の母体では耐えられないというものでした。その解決策として、呪いに対抗できる魔力と魔力耐性を持った女性を探すという手段が提示されます。
この状況を受け、オスカーはティナーシャを妻にすることを提案しますが、彼女はそれを断固拒否します。そこでオスカーは、ティナーシャに「1年間自分の傍で暮らす」という代案を提示し、それを試練達成者の願いとして承諾させます。この出会いが、二人の運命、そして大陸の歴史を大きく変えていく物語の始まりとなります。
オスカー
声 - 中島ヨシキ
本作の主人公で、ファルサスの王太子。後に国王となる。ティナーシャの契約者で、絶対魔法抵抗の剣アカーシアの主。
作者の古宮は、「物語としてはオスカーとティナーシャのダブル主人公に見えるが、実はオスカーが圧倒的に主人公」と述べています。
ティナーシャ
声 - 種﨑敦美
本作のヒロインで、「青き月の魔女」と呼ばれる。数百年の時を生きる魔女。
古宮は、ティナーシャを「オスカーの最強装備のひとつ」と表現しています。
ラザル
声 - 梅田修一朗
オスカーの幼馴染で、従者。いつも災難に見舞われている。
アルス
声 - 佐藤拓也
ファルサス国の若き将軍。酒好き。
メレディナ
声 - 赤﨑千夏
アルスの幼馴染で、武官。突っ込み役で、苦労人。
カーヴ
声 - 天﨑滉平
ファルサス所属の魔法士。魔法薬が専門。
ドアン
声 - 石毛翔弥
ファルサス所属の魔法士。遠征に連れ回されることが多い。
シルヴィア
声 - 夏吉ゆうこ
ファルサス所属の魔法士。ティナーシャと仲が良い。
ルクレツィア
声 - 川澄綾子
「閉ざされた森の魔女」。ティナーシャの旧知の仲。
ケヴィン
声 - 森川智之
オスカーの父親で、ファルサス国王。
その他、スズト、クム、ラナク、レナート、パミラ、トラヴィス、オーレリア、レオノーラ、ガジェン、サヴァス、ネフェリィ、リトラ、ナーク、ヴァルト、ミラリス、沈黙の魔女など、個性豊かなキャラクターが登場します。
本作では、将来的に国王となるオスカーがどのように成長していくのか、そして、王妃となるティナーシャがどのようにオスカーに従うようになるのかが、歴史的な視点から描かれています。
古宮は、「二人とも王族で重い事情を抱えているため、他の人には理解しづらい価値観を共有できるのが強み」と述べています。また、ミステリー要素が多い点については、古宮の読書歴の半分がミステリー作品であることに起因しており、「謎が解き明かされていく過程が好きなので、自身の創作にも積極的に取り入れている」と語っています。さらに、「最強の二人が時間をかけて関係性を構築していく過程を描きたかった。その関係性が一番分かりやすく出せるのがたまたま恋愛だった」とも述べています。
古宮は、本作を同人誌として製本しようと考えていたところ、KADOKAWAの新レーベル「電撃の新文芸」創刊の際に声がかかり、書籍化に至りました。本作の発表は書籍化の11年前、2008年まで遡り、執筆自体は2006年ごろから始まっています。
古宮によれば、執筆当時はブログが盛んな時代で、自身も練習用のブログを作成して非公開で小説を書いており、本作も高校時代に書き始めたプロトタイプを元に書き進めています。書籍化にあたっては、登場人物の感情表現をより読者に伝わりやすくするように改稿を行い、紙面の制約から取捨選択を意識し、余分な部分は削り、印象に残したい場面や伏線の部分は逆に膨らませるようにしています。
小説
古宮九時（著）・chibi（イラスト）、KADOKAWA〈電撃の新文芸〉、全6巻
『Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王』2019年1月17日発売
『Unnamed Memory II 玉座に無き女王』2019年5月17日発売
『Unnamed Memory III 永遠を誓いし果て』2019年9月17日発売
『Unnamed Memory IV 白紙よりもう一度』2020年1月17日発売
『Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙』2020年6月17日発売
『Unnamed Memory VI 名も無き物語に終焉を』2021年4月17日発売
古宮九時（著）・chibi（イラスト） 『Unnamed Memory -after the end-』 KADOKAWA〈電撃の新文芸〉、既刊4巻（2024年4月17日現在）
『Unnamed Memory -after the end-I』2022年2月17日発売
『Unnamed Memory -after the end-II』2022年12月17日発売
『Unnamed Memory -after the end-III』2023年10月17日発売
『Unnamed Memory -after the end-IV』2024年4月17日発売
漫画
古宮九時（原作）・越水ナオキ（作画）・chibi（キャラクターデザイン） 『Unnamed Memory』 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉、既刊8巻（2024年12月26日現在）
テレビアニメ
2022年12月13日にテレビアニメ化が発表され、第1期が2024年4月から6月まで放送。第2期が2025年1月より放送予定。
第1期オープニングテーマ：「呼び声」（丁）
第1期エンディングテーマ：「blan_」（Arika）
第2期オープニングテーマ：「Unsung ballad」（TRUE）
第2期エンディングテーマ：「inclusion」（Arika）
『Unnamed Memory』は、複雑な設定と魅力的なキャラクターたちが織りなす壮大な物語です。ぜひ、その世界観に触れてみてください。
元々は2008年に個人サイト「no-seen flower」に掲載されていた小説がルーツで、当時は「藤村由紀」名義で発表されていました。その後、2012年からは「小説家になろう」でも連載が開始され、多くの読者の支持を得ました。2019年1月から2021年4月にかけては、電撃の新文芸（KADOKAWA）から書籍版が刊行され、さらに2022年2月からは続編となる『Unnamed Memory -after the end-』が同レーベルより刊行されています。
本作は、数々のランキングで高い評価を受けており、『このWeb小説がすごい！』全Web小説ベストランキングでは9位、『次のヒット作はこれだ！ 新作ラノベ総選挙2019』新文芸・ブックス部門（ブックウォーカー）では10位を獲得しています。さらに、『このライトノベルがすごい！』単行本・ノベルス部門では、2020年版で1位、2021年版で3位に輝き、2020年には第5回ラノベ好き書店員大賞で単行本部門第5位に入賞するなど、その人気は非常に高いと言えます。
メディアミックス展開も積極的に行われており、『月刊コミック電撃大王』（KADOKAWA）では、2020年9月から越水ナオキによるコミカライズ版が連載されています。また、2020年10月にはAudibleにて、小澤亜李と角田雄二郎による朗読で第1巻のオーディオブックが配信されました。さらに、テレビアニメ化もされており、第1期が2024年4月から6月まで放送され、第2期が2025年1月より放送予定となっています。
あらすじ
物語の舞台は、強大な力を持つ5人の魔女が大陸を支配する時代です。主人公である強国ファルサスの王太子オスカーは、幼い頃にかけられた「子孫を残せない呪い」を解くため、試練を達成すれば願いを叶えるという〈青き月の魔女〉ティナーシャの塔を訪れます。
試練を乗り越えたオスカーは、呪いの解呪を求めますが、ティナーシャからその呪いが実は祝福であり、完全な解呪は難しいと告げられます。その呪いは、胎児に強力な守護をかけるためのものであり、普通の母体では耐えられないというものでした。その解決策として、呪いに対抗できる魔力と魔力耐性を持った女性を探すという手段が提示されます。
この状況を受け、オスカーはティナーシャを妻にすることを提案しますが、彼女はそれを断固拒否します。そこでオスカーは、ティナーシャに「1年間自分の傍で暮らす」という代案を提示し、それを試練達成者の願いとして承諾させます。この出会いが、二人の運命、そして大陸の歴史を大きく変えていく物語の始まりとなります。
登場人物
オスカー
声 - 中島ヨシキ
本作の主人公で、ファルサスの王太子。後に国王となる。ティナーシャの契約者で、絶対魔法抵抗の剣アカーシアの主。
作者の古宮は、「物語としてはオスカーとティナーシャのダブル主人公に見えるが、実はオスカーが圧倒的に主人公」と述べています。
ティナーシャ
声 - 種﨑敦美
本作のヒロインで、「青き月の魔女」と呼ばれる。数百年の時を生きる魔女。
古宮は、ティナーシャを「オスカーの最強装備のひとつ」と表現しています。
ラザル
声 - 梅田修一朗
オスカーの幼馴染で、従者。いつも災難に見舞われている。
アルス
声 - 佐藤拓也
ファルサス国の若き将軍。酒好き。
メレディナ
声 - 赤﨑千夏
アルスの幼馴染で、武官。突っ込み役で、苦労人。
カーヴ
声 - 天﨑滉平
ファルサス所属の魔法士。魔法薬が専門。
ドアン
声 - 石毛翔弥
ファルサス所属の魔法士。遠征に連れ回されることが多い。
シルヴィア
声 - 夏吉ゆうこ
ファルサス所属の魔法士。ティナーシャと仲が良い。
ルクレツィア
声 - 川澄綾子
「閉ざされた森の魔女」。ティナーシャの旧知の仲。
ケヴィン
声 - 森川智之
オスカーの父親で、ファルサス国王。
その他、スズト、クム、ラナク、レナート、パミラ、トラヴィス、オーレリア、レオノーラ、ガジェン、サヴァス、ネフェリィ、リトラ、ナーク、ヴァルト、ミラリス、沈黙の魔女など、個性豊かなキャラクターが登場します。
作風
本作では、将来的に国王となるオスカーがどのように成長していくのか、そして、王妃となるティナーシャがどのようにオスカーに従うようになるのかが、歴史的な視点から描かれています。
古宮は、「二人とも王族で重い事情を抱えているため、他の人には理解しづらい価値観を共有できるのが強み」と述べています。また、ミステリー要素が多い点については、古宮の読書歴の半分がミステリー作品であることに起因しており、「謎が解き明かされていく過程が好きなので、自身の創作にも積極的に取り入れている」と語っています。さらに、「最強の二人が時間をかけて関係性を構築していく過程を描きたかった。その関係性が一番分かりやすく出せるのがたまたま恋愛だった」とも述べています。
制作背景
古宮は、本作を同人誌として製本しようと考えていたところ、KADOKAWAの新レーベル「電撃の新文芸」創刊の際に声がかかり、書籍化に至りました。本作の発表は書籍化の11年前、2008年まで遡り、執筆自体は2006年ごろから始まっています。
古宮によれば、執筆当時はブログが盛んな時代で、自身も練習用のブログを作成して非公開で小説を書いており、本作も高校時代に書き始めたプロトタイプを元に書き進めています。書籍化にあたっては、登場人物の感情表現をより読者に伝わりやすくするように改稿を行い、紙面の制約から取捨選択を意識し、余分な部分は削り、印象に残したい場面や伏線の部分は逆に膨らませるようにしています。
既刊一覧
小説
古宮九時（著）・chibi（イラスト）、KADOKAWA〈電撃の新文芸〉、全6巻
『Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王』2019年1月17日発売
『Unnamed Memory II 玉座に無き女王』2019年5月17日発売
『Unnamed Memory III 永遠を誓いし果て』2019年9月17日発売
『Unnamed Memory IV 白紙よりもう一度』2020年1月17日発売
『Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙』2020年6月17日発売
『Unnamed Memory VI 名も無き物語に終焉を』2021年4月17日発売
古宮九時（著）・chibi（イラスト） 『Unnamed Memory -after the end-』 KADOKAWA〈電撃の新文芸〉、既刊4巻（2024年4月17日現在）
『Unnamed Memory -after the end-I』2022年2月17日発売
『Unnamed Memory -after the end-II』2022年12月17日発売
『Unnamed Memory -after the end-III』2023年10月17日発売
『Unnamed Memory -after the end-IV』2024年4月17日発売
漫画
古宮九時（原作）・越水ナオキ（作画）・chibi（キャラクターデザイン） 『Unnamed Memory』 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉、既刊8巻（2024年12月26日現在）
テレビアニメ
2022年12月13日にテレビアニメ化が発表され、第1期が2024年4月から6月まで放送。第2期が2025年1月より放送予定。
主題歌
第1期オープニングテーマ：「呼び声」（丁）
第1期エンディングテーマ：「blan_」（Arika）
第2期オープニングテーマ：「Unsung ballad」（TRUE）
第2期エンディングテーマ：「inclusion」（Arika）
『Unnamed Memory』は、複雑な設定と魅力的なキャラクターたちが織りなす壮大な物語です。ぜひ、その世界観に触れてみてください。
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