VIRGIN FLIGHT '86 中山美穂ファースト・コンサート

中山美穂ファーストライブアルバム『VIRGIN FLIGHT '86』：デビュー当時の輝きを閉じ込めた一枚

1986年、アイドル全盛期の時代に、中山美穂は自身の初となるコンサートツアーを敢行しました。そのツアーから、4月5日に中野サンプラザで行われた公演の模様を収めたライブアルバム『VIRGIN FLIGHT '86』が、同年8月1日にキングレコードよりリリースされました。

このアルバムは、当時の中山美穂の若々しいエネルギーと、抜群の歌唱力が存分に詰まった作品として、多くのファンを魅了しました。ジャケットコピーにもあるように、「ふるえる気持いっぱい」な、彼女の初々しいパフォーマンスは、聴く者の心を掴んで離しません。

収録されている楽曲は、彼女の代表曲はもちろんのこと、他アーティストの楽曲カバーも含まれており、その選曲にも魅力があります。例えば、6曲目には倉橋ルイ子の名曲「ラストシーンに愛をこめて」が収録されており、後に中山美穂主演のドラマ『おヒマなら来てよネ!』のエンディングテーマとして使用されたことでも知られています。また、7曲目には中森明菜のアルバム『D404ME』からのカバー曲「モナリザ」が収録され、彼女の幅広い音楽性を示しています。さらに、松本隆氏や筒美京平氏といった、日本の音楽史に名を刻む作曲家、作詞家陣による楽曲も数多く収録されていることも特徴です。

アルバムには、彼女の持ち前の透明感あふれる歌声と、アイドルとしての魅力が凝縮されています。彼女の歌声は、その時の年齢や状況を反映していると言えるでしょう。デビュー当時、彼女はまだ十代であり、彼女の歌声は、その若々しさ、そして少しの不安定さ、それでも力強さを秘めている、そんな独特の雰囲気を持っています。

このアルバムは、CD化もされており、発売から30年以上が経過した現在でも、多くのファンに愛され続けています。2015年には、デビュー30周年を記念した企画の一環として、これまでにリリースされたアルバム25作品と共に再発売され、その人気は衰えることを知りません。この再発盤ではリマスタリングが施されており、よりクリアで臨場感のあるサウンドで、当時のライブの興奮を再び味わうことができます。

『VIRGIN FLIGHT '86』は、単なるライブアルバムではなく、アイドル全盛期の一時代を象徴する作品であり、中山美穂というアーティストの原点とも言うべき、非常に重要な一枚と言えるでしょう。彼女を初めて知った人、既にファンの人、どちらにとっても、その時代背景や、彼女の音楽的才能を再確認する機会となること間違いなしです。

収録楽曲一覧

アルバムには、中山美穂自身の楽曲とカバー曲がバランス良く収録されています。主な楽曲と、作詞作曲編曲者を示します。

「C」：作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平 / 編曲: 水沢秀夫
HEART BREAK：作詞: 三浦徳子 / 作曲: 馬場孝幸 / 編曲: 水沢秀夫
生意気：作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平 / 編曲: 水沢秀夫
放課後：作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平 / 編曲: 水沢秀夫
あ・そ・び：作詞: 岩里祐穂 / 作曲: 三浦一年 / 編曲: 水沢秀夫
ラストシーンに愛をこめて：作詞: 岡田冨美子 / 作曲: 鈴木キサブロー / 編曲: 水沢秀夫
モナリザ：作詞: 竹花いち子 / 作曲: 後藤次利 / 編曲: 水沢秀夫
ときめきの季節（シーズン）：作詞・作曲: 竹内まりや / 編曲: 水沢秀夫
色・ホワイトブレンド：作詞・作曲: 竹内まりや / 編曲: 水沢秀夫
「C」：作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平 / 編曲: 水沢秀夫
* BE-BOP-HIGHSCHOOL：作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平 / 編曲: 水沢秀夫

再発盤について

『VIRGIN FLIGHT '86』は、これまで何度も再発盤がリリースされています。1989年にはGOLD CDとして、1992年には廉価盤として発売され、2015年にはデビュー30周年を記念して、リマスタリングされたものが再発売されました。これらの再発盤は、長年に渡り愛され続けるこのアルバムの価値を改めて示すものとなっています。

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