VX-1

VX-1は、日本の無線機器メーカーである八重洲無線が製造したアマチュア無線用のハンディトランシーバーです。その特徴は、片手で持ち運び可能なコンパクトな設計でありながら、144MHz帯と430MHz帯の二つの周波数帯（デュアルバンド）に対応している点です。

この無線機は、FM波による送信と受信が可能で、アマチュア無線通信を楽しむことができます。さらに、AMラジオやFMラジオの受信、さらにはVHF帯およびUHF帯のアナログテレビ放送の音声を受信することもできます。これにより、アマチュア無線家だけでなく、ラジオやテレビの音声を楽しみたいユーザーにも利用されています。

VX-1の空中線電力は、付属のリチウムイオン電池を使用した場合、500mWです。これは、他のアマチュア無線機と比較すると低い出力ではありますが、携帯性を重視した設計となっています。操作面では、数字入力用のテンキーは搭載されていません。そのため、テンキー付きの機種と比較すると操作性や機能は劣る部分がありますが、その分、小型軽量化と低価格化を実現しています。

外観デザインも評価されており、グッドデザイン賞を受賞しています。これは、機能性だけでなく、デザイン性も重視した製品であることを示しています。

沿革についてですが、VX-1は1997年（平成9年）に発売されました。発売に先立ち、5月1日には日本アマチュア無線振興協会(JARD)による技術基準適合証明を取得しています。この技術基準適合証明番号は「KV244**」（は個別番号）です。同年6月15日に発売され、10月1日にはグッドデザイン賞を受賞しました。

2005年（平成17年）12月1日には、総務省令無線設備規則のスプリアス発射等の強度の許容値に関する技術基準が改正されました。この改正により、技術基準適合証明番号KV244の証明は、平成17年11月30日以前のものであるため、「平成34年12月1日」以降は無効となりました。これにより、無条件で免許されるのは「平成19年11月30日」までとなり、使用期限は「平成34年11月30日」までとされました。その後、2007年（平成19年）9月3日には、無条件で免許される期限が「平成29年11月30日」まで延長されました。

さらに、2016年（平成28年）8月1日には、JARDが「スプリアス確認保証の対応について」を発表しました。これは、スプリアス特性を確認した機器を「スプリアス確認保証機器リスト」として公表し、リストに掲載された機器についてはスプリアス確認保証を行うというものです。KV244**もこのリストに掲載されており、「平成29年12月1日」以降の免許申請には、この保証が必要となりました。

このように、VX-1は発売から現在に至るまで、技術基準の変更や法改正などの影響を受けて、使用期限や免許条件が変更されています。そのため、現在使用している方は、これらの変更点に注意する必要があります。

製品の公式サイトや関連機関のウェブサイトで、最新の情報を確認することを推奨します。特に、アマチュア無線局の免許申請を行う際には、JARDのウェブサイトでスプリアス確認保証機器リストを確認し、必要な手続きを行うようにしてください。また、アマチュア無線を楽しむ際には、電波法などの法令を遵守し、適切な運用を心がけてください。

参考情報として、八重洲無線の公式サイトでは、VX-1に関する情報が掲載されています。また、JARDのウェブサイトでは、スプリアス確認保証に関する情報やリストが公開されていますので、必要に応じて参照してください。

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