無線設備規則

無線設備規則について

無線設備規則（昭和25年電波監理委員会規則第18号）は、電波法に基づいて、無線設備および高周波利用設備に関する詳細な技術的条件を定めるための規則です。この規則は、無線通信の円滑な運用と電波の有効利用を目的としています。2024年12月20日現在、多岐にわたる無線設備と高周波利用設備に関する規定が網羅されています。

構成

無線設備規則は、以下の構成で成り立っています。

第1章：総則

無線設備全般に共通する事項を規定しています。

第1節 通則：規則全体に適用される基本的な規定。
第2節 電波の質：送信設備の周波数許容偏差、占有周波数帯幅、スプリアス発射の強度に関する許容値を規定。
第3節 保護装置：電源回路の遮断方法（ブレーカー、ヒューズなど）に関する規定。
第4節 特殊な装置：選択呼出装置や緊急警報信号発生装置などに関する規定。
第5節 混信防止機能：コードレス電話やPHSなどが備えるべき混信防止機能に関する規定。
第6節 周波数帯を維持する機能：無線設備が指定された周波数帯を維持するための機能に関する規定。

第2章：送信設備

すべての送信設備に共通する事項を規定しています。

第1節 通則：空中線電力の換算比、算出方法、許容偏差、人体頭部における比吸収率の許容値に関する規定。
第2節 送信装置：周波数安定のための条件、通信速度、変調、通信方式（単信／複信）に関する規定。
第3節 送信空中線：送信空中線の型式および構成に関する規定。

第3章：受信設備

すべての受信設備に共通する事項を規定しています。

副次的に発する電波の限度、内部雑音、感度、選択度、了解度、受信空中線に関する規定。

第4章：業務別または電波の型式および周波数帯別による無線設備の条件

さまざまな無線設備について、詳細な技術的条件を規定しています。放送局、船舶局、航空局、携帯電話、コードレス電話、小電力無線局など多岐にわたる無線設備の変調方式、搬送周波数、搬送波電力、側波帯、総合周波数特性、総合歪率、信号対雑音比、予備電源装置、電波の偏波面、映像送信装置の特性などが定められています。

放送局および関連する無線局の無線設備（第1節～第2節の13）
その他の無線設備（第3節以降）

第5章：高周波利用設備

高周波エネルギーを利用する設備に関する規定。

第1節 通則：高周波出力の算出方法などに関する規定。
第2節 通信設備：適用の範囲、周波数の範囲、許容偏差、漏洩電界強度、電力線搬送通信設備、誘導式通信設備の条件、混信防止に関する規定。
第3節 通信設備以外の設備：電界強度の許容値、混信防止に関する規定。

概要

この規則は、無線通信システムにおける電波の品質を維持し、異なる無線局間での混信を防止するための技術基準を定めています。特に、第4章では、各種無線業務に特化した詳細な規定が設けられており、技術革新や社会の変化に応じて頻繁に改正が行われています。

沿革

無線設備規則は、1950年6月に電波監理委員会規則第5号として制定され、同年11月に電波監理委員会規則第18号として全部改正されました。

その後、無線技術の発展や社会ニーズの変化に対応するため、以下のような主要な改正が行われてきました。

1961年：電波の型式表示や空中線電力表示法が削除され、電波法施行規則に規定されました。
1982年：MCA無線が定義に追加されました。
2005年：スプリアス発射等の強度の許容値に関する技術基準が改正されました。
2016年：無人移動体画像伝送システムが定義に追加されました。

関連法規

無線機器型式検定[[規則]]
特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則

外部リンク

総務省電波利用ホームページ - 無線設備規則

この規則は、技術基準適合証明などの制度と連携して、無線機器の品質を保証し、電波の有効利用を促進しています。無線設備の設計、製造、利用に関わるすべての人々にとって、重要な規範となっています。

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