VXB-170

VXB-170は、フランスの装輪装甲車であり、主にフランス国家憲兵隊によって国内の治安維持に用いられていました。本車両は、元々ベルリエによって開発されましたが、ベルリエがサビエムと合併し、ルノートラック（現：Arquus）となった後、競合他社より安価であったにもかかわらず、サビエムで開発されたVAB装甲車に取って代わられました。結果として、200台未満の車両が生産された後、生産が停止しました。

開発の経緯
1960年代後半に設計され、1972年にフランス国家憲兵隊によって選定されました。しかし、フランス軍の装備を巡る競争においてサビエムのVAB装甲車に敗れました。さらに、1974年にルノーの下でベルリエとサビエムが合併したため、同一ブランドとして重複する製品となり、国家憲兵隊への納入が完了した直後に製造停止となりました。

バリエーション
VXB-170には、3つの用途に対応する装備構成が存在しました。

国内向け治安維持・警備用:
基本車両、指揮車、ブレード搭載車、ウィンチ搭載車の4種類がVXBとしてフランス国家憲兵隊に調達されました。
偵察車
軽戦闘車

フランス国家憲兵隊向けVXBには、ハイドロジェットを装備して水陸両用車とすることも可能でしたが、この追加装備は採用されませんでした。

採用国と運用状況
VXB-170は、以下の国で採用・運用されました。

フランス: 155両
1974年からフランス国家憲兵隊機動憲兵隊に採用され、2018年現在、フランス本土、コルシカ島、フランスの海外領土で運用が確認されています。VBRG（Véhicule blindé à roues de la Gendarmerie、日本語で国家憲兵隊装輪装甲車の意）と呼ばれ、7.62 mm AANF1機関銃と56 mm ALSETEX クーガー 自動擲弾銃が装備されています。災害時やデモ発生時のバリケード排除といった障害物の撤去のため、一部の車両はブルドーザー用のブレードやウインチを備えています。コソボとコートジボワールのフランス軍憲兵隊に配備されているほか、フランスの海外県・海外領土、フランス本土で採用されています。
ガボン: 15両
セネガル: 12両
チュニジア: 10両 (警察向け) - 退役済
南アフリカ: 1両 - 評価採用のみ。ラーテル歩兵戦闘車の試作に活用されたと考えられています。

装備
フランス国家憲兵隊で運用されたVXB-170（VBRG）には、以下の装備が搭載されていました。

7.62 mm AANF1機関銃
56 mm ALSETEX クーガー 自動擲弾銃
ブルドーザー用ブレード（一部車両）
ウインチ（一部車両）

VXB-170は、VAB装甲車との競合に敗れたものの、フランス国家憲兵隊において長年にわたり治安維持に貢献した装輪装甲車です。

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